新日本プロレスは12日の日本武道館大会で、真夏の祭典「G1クライマックス」優勝決定戦を行い、Aブロック1位の棚橋弘至(41)がBブロック1位の飯伏幸太(36)を撃破し、3年ぶり3度目の優勝を飾った。

 エース復権へあと1つと迫った棚橋のセコンドは、長期欠場中の柴田勝頼(38)が就いた。かつて中邑真輔(38=現WWE)とともに「新闘魂三銃士」と呼ばれた盟友の声援を背に、飯伏のヒザに一点集中攻撃を加えていく。

 だがハイフライフローを剣山で迎撃されると、後頭部ボマイェからムーンサルトニードロップ、やり投げ、スワンダイブ式ジャーマンからのシットダウン式ラストライドと怒とうの猛攻にさらされる。

 これを何とか耐えた棚橋は、カミゴェを阻止してツイスト&シャウトの3連発。ハイキックをかわしてドラゴンスープレックスホールドを決めると、背中へのハイフライフローを発射した。なおも立ち上がる飯伏をハイフライ弾でなぎ倒し、三たびコーナーポストへ。魂の3連発となる正調ハイフライフローで大激闘に終止符を打った。

 新日本プロレスを暗黒時代から立て直し、再興させた立役者も、近年は右ヒザなどの故障に苦しみ不振が続いた。団体の至宝IWGPヘビー級王座からは2015年2月から、実に3年半も遠ざかっている。それでもこの日のG1制覇でついにエース復権を果たした。

「(来年1月4日の)東京ドーム、その先まで俺が引っ張っていきます。完全復活、見ていてください。日本武道館の皆さん、愛してま~す!」と絶叫。平成の大エースが、平成最後の夏男となった。