覚醒剤逮捕事件がプロレス団体の屋台骨を揺るがした。女子プロレス団体「WAVE」は2日、12月29日の東京・後楽園ホール大会を最後に一時、活動を休止すると発表した。来年4月から新体制に移行し再始動する。

 5月13日に所属選手だった浜田文子(37=当時)が足立区の自宅で覚醒剤を吸引し、逮捕された。団体は契約解除を発表し、覚醒剤取締法違反(使用、所持)の罪に問われた浜田は7月18日に東京地裁の初公判で起訴内容を認め、即日結審のうえ、懲役1年6月(執行猶予3年)の判決を受け、プロレス界からの引退を表明した。

 二上美紀子社長(49)は「女子プロ界最大の不祥事を起こしてしまった」ことで監督責任を取り、今年いっぱいで辞任することを決めた。来年4月からは会長職に退き、桜花由美(39)が新社長に就任する。

 桜花は「団体の選手が悪いことで有名になってしまって、イメージは良くない。『(覚醒剤を)みんなやってたんじゃないか』というのもあるし、うちの家族でさえ言われてしまう」と団体のイメージダウンが想像以上だったことを認めた。

 また経済的な損失も大きかったという。「(集客も)ちょっとずつ落ちていった。特に(19日の後楽園大会は浜田の)20周年で、その払い戻しもボディーブローのように効いてきました」

 困難な船出になることが予想されるが「WAVEを守りたいからこそリニューアルするんです。(選手の)意識徹底も必要になる。個々をそこまで縛ることはできないが、きちんと見ていかないといけない」と強い決意をにじませた。果たして団体再建はなるのか――新社長の手腕に注目が集まりそうだ。