プロレスリング・ノアとIGFから派生した中国を拠点とする団体「東方英雄伝」は25日、業務提携すると発表した。

 都内で行われた会見にはノアの内田雅之会長(56)と東方英雄伝のサイモンCEO(44)が出席。これにより両団体が主催する大会に双方の選手を派遣するほか、選手育成でもノアのノウハウが生かされる。また埼玉県内にあるノア道場で中国人選手を指導し、東方英雄伝の中国・上海道場にノアの選手がコーチとして赴くことになる。

 内田会長は「我々が求めるマーケットとして中国は大変魅力があった。ノアとしても、日々成長を続ける中国のプロレスというコンテンツを、東方英雄伝とともにさらに広げていければ。さらにノアの選手が指導する東方英雄伝の選手のなかで、将来GHCに挑戦できるような有望な選手が育っていくことを望んでいます」と話した。

 一方のサイモン氏は「我々のストロングポイントである中国展開、そして歴史のあるノアさん、この2つの団体が業務提携することで、さらにすごいことが起きると思っています」と語った。昨年から選手派遣の話が持ち上がり、今年3月に業務提携の話に発展したという。将来的には東京・千代田区にある現在のノア事務所を、銀座にある東方英雄伝事務所と同じビルに移転する方針で、共同出資の運営会社を設立することも視野に入れている。

 29日のノア東京・後楽園ホール大会では東方英雄伝の選手がリング上からあいさつし、6月26日後楽園大会から東方英雄伝の選手が出場する予定。また8月8、9日に上海で開催予定の東方英雄伝の大会には、ノアの選手が参戦する見込みだ。

 内田氏は「少なからず同業他社に対して影響を及ぼすことがあれば、一石を投じることになるだろう。我々は我々のやり方でプロレスの未来をつなげていきたい」とプロジェクトの成功に自信をのぞかせた。