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離婚夫婦「海外に子供連れ去り」裁判で差し戻し 母優位「親権問題」に一石なるか


 両親の離婚により、国境を越えて連れ去られた子供の取り扱いを定めた「ハーグ条約」に基づく返還命令が確定したのに、従わないのは不当として、米国に住む父親が息子(13)を連れて日本に帰国した母親に、引き渡しを求めた人身保護請求の上告審判決で、最高裁第1小法廷(山口厚裁判長)は先ごろ、引き渡しを認めた。

 同小法廷は「特段の事情がないのに、従わないのは違法」との初判断を示し、父親敗訴の名古屋高裁金沢支部判決を破棄。息子を裁判所に呼んだうえで審理すべきとして、審理を高裁に差し戻した。この判決に注目していたのが、全国の離婚した父親たちだ。40代男性は「子供の親権協議における女性優位の見直しを期待する」と語る。男性の結婚後、身重の元妻は突然、実家に帰ってそのまま息子を出産。男性は元妻から離婚を迫られ、調停、裁判、和解を経て離婚した。「産後から1か月の間に子供と3度会ったきり会えていない。面会も月に1度と定めたが『忙しい』『子供の体調が悪い』と理由をつけられてほごにされている」と嘆く。

 日本では離婚夫婦の間で親権が争われると「母親が9割勝つ」といわれる。問題になっているのが、冒頭の裁判のような“連れ去り”だ。

「子供を家から連れ去るのは女性が多い。子供を連れて母親が出て行っても、裁判所は生活の現状維持を重視する。連れ去った後の生活に特段の問題がなければ、その生活がなし崩しに認められてしまうのが日本の現実」(同男性)

 日本では「幼い子供は母親に育てられた方がよい」との認識が根深い。ハーグ条約は国をまたぐ連れ去りに適用されるものだが、今回の最高裁判断が国内の連れ去りに対して「議論を盛り上げる一石になるはずだ」と期待する男性は「家裁の場に子供も同席させて、子供からもしっかり意見を聞く手続きを必須にしてほしい」と話している。

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