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“森友隠し”? オウム死刑囚いま移送のなぜ


“森友隠し”か? 地下鉄サリン事件などオウム真理教による一連の事件で、死刑が確定した死刑囚13人のうち7人について法務省は14日、東京拘置所から別の5か所の拘置所への移送を開始した。今後の焦点は、教祖の麻原彰晃こと松本智津夫死刑囚(63)らの死刑執行が、いつなされるかだ。このタイミングで法務大臣がGOサインを出せば「露骨な政治利用」と批判されるのは確実だが、それをやりかねないのが今の安倍晋三(63)政権ともいわれている。専門家の見解は――。

 国会で森友問題が紛糾するなか、飛び込んできたのがオウム死刑囚移送のニュースだった。

 同教団は1995年3月の地下鉄サリン事件や89年11月の坂本堤弁護士一家殺害事件など、数々の凶悪犯罪を引き起こした。一連の事件で元信者ら192人が起訴され、主導した松本死刑囚ら13人の死刑が確定。今年1月、殺人罪などに問われた高橋克也被告(59)の無期懲役判決確定をもって一連のオウム裁判は終結、法律上は確定から6か月以内とされる死刑執行が注目されていた。

 この日、法務省は東京拘置所にいる13人のうち7人の死刑囚を全国5か所の拘置所に移し始めた。対象となったのは岡崎(現姓宮前)一明(57)、横山真人(54)、林(現姓小池)泰男(60)、早川紀代秀(68)、井上嘉浩(48=14日に再審請求)、新実智光(54)、中川智正(55)の各死刑囚だ。

 死刑の執行が可能な施設は全国で東京、大阪、名古屋、札幌、仙台、広島、福岡の7か所の拘置所。7人は東京から札幌を除く5か所に移され、松本死刑囚らは東京拘置所にとどまる。

 折しも、国会では森友学園への国有地売却をめぐる財務省の決裁文書改ざん問題で安倍政権は大炎上中。その最中だけに、ネット上では「露骨な森友隠しだ」との声も上がっている。

「露骨なことを平気でやるのが安倍政権。働き方改革をめぐる厚労省の調査データに疑義が生じた際も国民の関心をそらすために、平昌五輪で連覇の金メダルを取った羽生結弦選手に『国民栄誉賞を検討』というニュースをかぶせてきた。安倍政権ならこのタイミングで死刑執行にGOを出しかねない」とは野党関係者。

 さらに、来年以降は天皇陛下の生前退位に伴う皇室行事が目白押しなため「死刑を執行するなら今年しかない」(関係者)という意見もある。

 これに異を唱えるのは長年オウム事件を取材し、現在、法務委員会に所属する有田芳生参院議員(66)だ。

「年内の死刑執行は考えられません。オウム裁判がすべて終わっている以上、死刑囚の移送は想定内。移送したからといって刑執行が差し迫っているわけではありません」

 松本死刑囚の死刑を執行するには2つの越えるべきハードルがあるとも。

「一つは時の法務大臣が生涯にわたり、身辺警護される生活を受け入れること。死刑執行の最終決裁者である法務大臣には報復の危険が伴います。現在の上川陽子法務相にその覚悟があると思いますか? もう一つは松本死刑囚の精神鑑定がしっかり行われること。心神喪失状態ならば死刑は執行されません」(同)

 松本死刑囚の現状については「言葉はしゃべれず、心神喪失状態」「きちんと食事も取っており、判断能力はある」など情報は錯綜している。

 有田氏は「松本死刑囚の死刑執行を政治利用なんてできるはずがないんです。安倍晋三が『いますぐやれ』とか菅官房長官が『もう少し延ばせ』と指示を出せば動くレベルの話ではない。法務省が粛々と手順を踏んで、ようやく成し遂げるものなのです」と語る。

 公安関係者も「死刑執行後も、信者が松本死刑囚の遺体を奪還しに来るかもしれない。遺体がそのまま教団のシンボルにならないよう、遺骨の埋葬地も考えなければいけない。一朝一夕で決まる話ではない」と言う。

 地下鉄サリン事件から20日で23年。オウム死刑囚の“最期の日”はいつになるのか。

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