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【仮想通貨流出】コインチェック「内部告発」の真偽


昨報した本紙紙面

 約580億円相当の仮想通貨「NEM(ネム)」が大手取引所コインチェック(東京)から流出した問題で30日、ネムはわずか20分間で576億円分奪われていたことが判明した。同社が事態を把握したのは、最初の流出から約11時間後で、26日夜の記者会見の最中にも、二次送金されていた。同社は自己資金で463億円分を弁済すると表明しているが、聴取した金融庁は「納得できない」としている。さらに、ネット上では同社元社員を名乗る人物による“絶望的な予言”も拡散され、大混乱に陥っている。

 コインチェックで26日に発生したネムの大量流出の被害額は580億円に上り、26万人の顧客が被害に遭ったとされる。

 芸能界でも「藤崎マーケット」のトキ(33)や「サバンナ」の八木真澄(43)が被害を訴え、芸人仲間に仮想通貨を広めた“元凶”として先輩芸人のたむらけんじ(44)の名前が挙がっていることは本紙昨報通り。

 そのたむらは30日放送のフジテレビ系「とくダネ!」に電話出演し、トキに「仮想通貨の世界がスタンダードになる時代が来るかもしれませんよって言いました」と認めた上で「絶対に余裕のあるお金でやってください」と念押ししていたことを強調。続けて「ネットでは『たむらが元凶や』とか『トキのお金肩代わりしたれ』とかめっちゃ来ます」と、クレームが殺到している現状を明かした。

 とはいえ、批判されるべきはたむけんではなく、ずさんな管理を行っていたコインチェック社だろう。同社が海外ハッカーの不正アクセスを受けてネムが流出したのは26日の午前0時2分。わずか20分間で、被害の大部分に当たる576億円相当のネムが特定のアドレスに送金されたことが新たに判明した。

 その後、ネムは特定のアドレスに送金された後、別の8つのアドレスに二次送金。そのうちの1つから別のアドレスにも送られ、計9つのアドレスに分散送金された。

 同社が異変に気付いたのは“犯行”から約11時間後の26日午前11時すぎ。当初は最初の流出が午前3時前であるとして「8時間後」と説明されたが、実際はさらに時間がかかっていた。しかも同日午後11時半から行われた同社の記者会見中にも、9つ目のアドレスに二次送金されていたというマヌケぶり。盗んだハッカーたちは笑いながら会見を見ていたに違いない。

 大量流出を受け、コインチェック社は自己資金463億円を顧客の弁済に充てると表明。ネット上では安堵の声も広がったが、報告を受けた金融庁は「納得できる説明ではない」と懐疑的な見方をしている。

 さらに追い打ちをかけているのが、ネット上で拡散されているコインチェックの元社員を名乗る人物による29日からの内部告発だ。ネット掲示板に書き込まれたものの抜粋で、そこには同社が「使途不明金と顧客の通貨を会社の財布に自動送金して自転車創(*操)業していた」ほか、「顧客が購入した通貨を自社財布に毎回戻し出金要請の時だけ顧客の財布に移動」など、にわかには信じ難い内容が記されている。

 なかでも衝撃的なのは「返金を案内。その間に破産申請の手続きに取りかかる」「今週金曜日に破産申請予定」という部分。真偽は不明だが、被害者はこれにより、さらに大混乱に陥っている。

「この機会にコインチェックの顧客を奪おうとしているライバル社は多い。今回の内部告発はうのみにはできないが『顧客の通貨を流用している』という話は以前からささやかれていた」とは業界関係者。

 30日には、仮想通貨の一種の「モナコイン」の出し入れを可能にする不正プログラムをネット掲示板上に公開し、閲覧者のパソコンをウイルス感染させたとして、大阪府貝塚市の高校3年の男子生徒(17)が不正指令電磁的記録作成・同供用の疑いで愛知県警北署に逮捕された。

 男子生徒はパスワードなどを不正に抜き取り、閲覧者が保有するモナコインを自分の口座に移動させていた。調べに対し「意図してやったわけではない」と否認しているが、この手の犯罪は今後増えるに違いない。

 コインチェック社は30日夜、ホームページ上で「出金の一時停止について数日中にも再開に関する見通しをお知らせする」と説明したが、仮想通貨をめぐる騒動はまだまだ拡大しそうだ。

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