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<シリア日本人拘束>父が語る息子の謎…「改名」「女性化」「路上生活」


拘束されている息子・湯川遥菜さんについて語った父親の正一さん

<シリア日本人拘束>路上生活に女性化!? 音信不通だった息子、湯川遥菜さん(42)が、シリア北部アレッポでイスラム教スンニ派過激集団「イスラム国」に拘束されたとの情報が流れてから4日目となった20日、湯川さんの父、正一さん(74)が本紙の取材に答えた。「ご迷惑をおかけして申し訳ない」とわびつつ、遥菜さんの謎に包まれていた半生を語ったが、シリア渡航前に「人生のラストチャンス」にかけると話していたという。そんな悲壮な覚悟の裏側に何があったのか、父が語った真実は――。

「父親として子供の教育ができていなかった。海外に送り出した手前、配慮が足りなかったのかもしれない。大変申し訳ないと思っております」と正一さんは涙を流した。

 湯川さんは1972年に次男として誕生。父親から1字をもらって「正行」と名づけられた。おとなしい子供だったという。千葉県内の私立高校を卒業後、知人らと共同で会社を立ち上げ、ミリタリーショップ「日高屋」を開店した。

「初めは小さい部屋でしたが、会社はかなりの業績を上げて成長して、広い部屋に移ったほどだと聞いています。27歳のとき、このショップで出会った女性と結婚し、実家を出て行きました。ほかの事業に手を出して業績が悪化し、会社は潰れてしまった。その後、音信不通になってしまいました」(正一さん)

 97年に販売店としてスタートし、2002年に事業を拡大。しかし、04年ごろからうまくいかなくなり、05年には「日高屋」の営業権を他社に譲渡している。これをきっかけに湯川さんは各地を転々とするようになり、正一さんとは連絡を取らなくなってしまった。

 4年ほど前、知人を通じて湯川さんの奥さんが肺がんになったと正一さんに連絡があった。お見舞いに行ったが、奥さんは亡くなってしまった。このときも湯川さんとは音信不通のままだった。

 そして、昨年12月。正一さんが家の外にいると、後ろから「お父さん」と呼ぶ声があり、振り返ると「女性が立っているのかなと思った」(同)。湯川さんだった。

「以前は黒い髪だったけど茶髪になっていた。これまでに様々なつらい経験をしたのでしょう。路上生活もしたかもしれない。そういった経験をすると人はここまで変わってしまうのか!と思いました」と正一さんは振り返る。変わったのは見た目だけではなかった。名前も正行から「遥菜」へ変わっていた。

「いつ改名したかは分かりません。亡くなった嫁の名前ではない。『正行』は合計11画で、占いをやる人から『この字は短命』と言われたとかで改名したとチラッと言っていた」(同)

 久しぶりに再会した息子をこれ以上、放っておくわけにはいかないと、実家近くのアパートに住まわせることにした。

 湯川さんは正一さんに「人生のラストチャンスなんだ」と繰り返し、1月に民間軍事会社を立ち上げた。出資者がいたという。

「42歳という年齢になり、再起を図らないといけないと本人も思ったのでしょう。自分に何ができるのかと過去の流浪の生活から考えていたようです」(同)
 4月にシリアへ。正一さんは「行ってこいよ」と送り出したという。5月に帰国した湯川さんは「シリアは救護施設が苦しい状況で、医薬品や包帯を持って行ったらすごく喜ばれた。今度行くときも持って行きたい」と希望を語った。

 現地の兵士は靴がボロボロだったとも言い、7月にシリア入りするときは靴2足を持って行ったという。湯川さんが民間軍事会社でやりたかった人道支援とは、包帯や衣服などの物資援助だったのかもしれない。

 しかし、現在は過激派グループに拘束されているとみられている。

「息子は自衛官や警察官の経験はない。ミリタリーのイベントで河原や海辺や森林で撃ち合いみたいなこと(サバイバルゲーム)はやっていたかもしれないが、ずぶの素人なんです。ご迷惑をおかけして申し訳ないが、帰ってきてほしい」(同)

 19日、過激派は米国人記者の処刑動画を公開した。約1年半前に行方不明になっていたジェームズ・フォーリー氏とみられる。湯川さんはアレッポ市郊外バーブで、イスラム国に拘束されているとの情報がある。湯川さんを救出する時間はまだあるはずだ。

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