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収賄逮捕・文科省局長“訳あり一族”義父は夫人の金銭問題で引退のあの元文相


 東京医科大(東京都新宿区)を文部科学省の私立大支援事業の対象校に選定するよう便宜を図る謝礼として、自分の子供を同大に合格させてもらったとして、東京地検特捜部は4日、受託収賄の疑いで、同省前官房長の科学技術・学術政策局長佐野太容疑者(58)を逮捕した。次官候補の大物官僚逮捕に省内では衝撃が走ったが「文科省の官僚が見返りに子供の裏口入学など、いつの時代なんだ!?」とあきれる声も。さらに同容疑者の義父は“あの元文部大臣”であることもわかった。

 佐野容疑者の逮捕容疑は、官房長だった2017年5月、東京医科大の関係者から「支援事業の対象校に選んでほしい」と依頼を受け、謝礼として今年2月に実施された入学試験で子供の点数を加算させ、合格にしてもらった疑い。官房長は人事や予算など省内の調整を担い、幅広い権限を持つ。

 問題の支援事業は「私立大学研究ブランディング事業」。大学の看板となる研究の推進に必要な費用を国が助成し、施設の新築や機器の購入などに充てられる。東京医科大は、がんや生活習慣病の早期発見を推進するとの計画書を提出。17年11月に選定され、3500万円の助成を受けた。東京医科大が応募した部門には65校が申請し、同大を含む27校が選ばれた。

 特捜部は受託収賄ほう助の疑いで会社役員谷口浩司容疑者(47)も逮捕。贈賄側の東京医科大関係者は在宅で捜査する。現金の授受はなかったが、合格者の地位を与えたことが賄賂に当たると判断した。

 谷口容疑者は今年2月まで、医療機関の危機管理などを手掛けるコンサルティング会社の役員だった。佐野容疑者と東京医科大関係者はいずれも谷口容疑者と面識があり、2人は谷口容疑者を介して知り合った可能性があるという。

 東京医科大は「東京地検の捜査を受けていることは事実で、厳粛に受け止めている。捜査に全面的に協力する」とのコメントを発表した。

 佐野容疑者は1985年に旧科学技術庁に入庁し、文科省官房政策課長や官房総括審議官などを歴任。07~09年には山梨大で副学長などを務めた。16年6月に官房長、17年7月に科学技術・学術政策局長に就任した。

 さらに義父は小杉隆元文相(82)であることも判明した。

 永田町関係者は「佐野容疑者は、09年に身内の事件で政界を追われるように引退した小杉元大臣の娘婿。お母さんの事件で苦労した夫人と、何も知らず、医大に通っているお子さんは大変でしょうね」と語る。

 小杉氏といえば、妻と私設秘書が支援者に架空の投資話を持ちかけ、計約1億8000万円をだまし取った容疑で10年に逮捕された。妻は有罪判決を受けている。小杉氏は09年、金銭問題が報じられた後に政界を引退していた。

 佐野容疑者の今回の容疑が事実ならば、入試をつかさどる省全体の信頼を揺るがしかねない。

 林芳正文科相は報道陣の取材に「職員が逮捕されたことは誠に遺憾であり、当局の捜査に全面協力する」と述べた。

 文科省内では局長逮捕を受け、幹部らが「何かの間違いでは」「入試の公平性が大切なことは当然、文科省の官僚として深く認識していたはず」と戸惑い、唇をかんだ。別の職員は「入試の点数加算なんて、この時代にできるのが信じられない。ずいぶん古典的だ」と首をかしげた。佐野容疑者と一緒に仕事をした幹部も「今どき、裏口入学だなんて…。どの国の、いつの時代の話か?という印象だ」と半信半疑の様子だった。

 別の幹部は「省全体の信頼に関わる話だ」と危機感を示した。文科省は組織的天下り問題や加計学園問題で批判を受けた後だけに、今回の事件が省全体の問題として批判を浴びかねない。

 同省に詳しい自民党国会議員は「佐野容疑者は省内で輝かしいキャリアの持ち主として知られ、将来の事務次官候補だった。山梨大副学長を務めていた時期、同県知事選の候補者として擁立しようとする動きもあったほど。それが自分の子供を医大に合格させてもらう“親バカ”だったとは。情けないヤツとしか言いようがない」とあきれている。

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