男も美肌の時代!? カミソリとスキンケアメーカーの超接近を流通ウォッチャー・渡辺広明氏が解説

2021年06月27日 10時00分

【写真左上】パナソニックが発売した「ラムダッシュ」、【同右上】シック・ジャパンで好調の「極」、【同下】シック・ジャパンのサブスクモデル「SMARTSHAVE」
【写真左上】パナソニックが発売した「ラムダッシュ」、【同右上】シック・ジャパンで好調の「極」、【同下】シック・ジャパンのサブスクモデル「SMARTSHAVE」

 男だって美肌が一番!? 新型コロナウイルスがもたらした生活様式の変化によってメンズグルーミング市場に変化が起きている。ただヒゲを剃らなくなっただけじゃない。これまで“別業界”だったカミソリとスキンケアメーカーが限りなく近づいている理由とは? 本紙おなじみの流通ウォッチャー・渡辺広明氏(54)が解説する。

「パナソニックが電動シェーバーでは初となる6枚刃の『ラムダッシュ』を今月6日に発売。ウエットシェービング市場でもシックが日本最高峰モデルとして発売した『極』がヒットしています。マスクの着用、対面機会の減少でヒゲを剃る頻度は減っているというデータもありますが、オンライン会議で自分の顔をマジマジと見ることが増えたことで男性の意識が変化しているのでしょう」

 こう話す渡辺氏もコメンテーターとして関わる「Live News α」(フジテレビ系)がスタジオ収録からリモート出演に切り替わったことによりメークなしのすっぴんに。「視聴者は僕の顔なんか気にしないでしょうが、最近ヒゲよりもシミが気になってきました」と自嘲気味に語る。

 コロナ禍で大きく変わっているのはヒゲ剃りとスキンケアの2点だ。

「ヒゲ剃りに関する検索や需要が増えています。ヒゲが伸びたことでデザインしてみようという方もフリップトリマーがついた『極』に関心をいただいているようです。今後は放置して長くなったヒゲをすっきり剃れる商品も発売予定です」(シック・ジャパンの広報担当者)

 カミソリ市場を巡っては現在、米国でサブスクリプションサービス「ダラーシェーブクラブ」が高い顧客支持で猛威を振るっている。2011年に始まった同サービスは、わずか1ドルで毎月替え刃を送るという会員制サービスで、16年にユニリーバが同社を買収したことでさらに注目されるようになった。

「これでユニリーバはライバルP&G傘下のブランド『ジレット』が誇っていたシェアを奪うことに成功。カミソリだけでなくスキンケアを含めた一体的なメンズグルーミングが求められる時代になっている証しといえるでしょう」(渡辺氏)

 都内百貨店では男女を問わず、マスクによる肌荒れをケアする商品の売れ行きが伸びている。「メンズコスメはコロナ以前からじわじわと伸びています。まずはヒゲ剃り後や乾燥防止の化粧水や乳液に始まり、意識が高いお客様はそこから美容液へと広がっていきます。若い男性のお客様の中には日焼け止めやプライマー(=毛穴や凹凸を目立たなくさせる下地)をお求めになる方もいらっしゃいますね」(小田急百貨店の三柴フロアマネジャー)

 メンズグルーミングが伸びている背景には世代の変化があると渡辺氏は言う。「もともと男性はアフターシェーブローションぐらいしか使わなかったが、20年前にフェーシャルペーパーがヒットして、そこからスキンケアに感度が高い世代(現在35~40歳くらい)が出てきた。2年前に資生堂ウーノのBBクリームがヒットしたのも、その世代の悩みにマッチしていたから。もっと若い世代だとヒゲ脱毛に意識が向いているようです」

 ちなみに某エステサロン正社員に聞いたところ、脱毛市場はコロナ禍で前年比120%超で絶好調。ヒゲ脱毛の場合は「全部なくす、デザインする、間引いて薄くする」の3パターンが基本で「全部なくしたい」が圧倒的に多いというから驚きだ。

 ☆わたなべ・ひろあき 1967年生まれ。静岡県浜松市出身。「やらまいかマーケティング」代表取締役社長。大学卒業後、ローソンに22年間勤務。店長を経て、コンビニバイヤーとしてさまざまな商品カテゴリーを担当し、約730品の商品開発にも携わる。著書に「コンビニが日本から消えたなら」(KKベストセラーズ)。

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