【話題の現場】一流店出身店主の独創的な日本料理の名店「銀座 和郷」

2020年02月26日 10時00分

カウンターで小澤氏の妙技を目の当たりにできる

 食通がわざわざ通う、羽田空港に程近い東京・大田区にある日本料理の名店「糀谷 和郷(わきょう)」が、満を持して銀座に進出。早速、オープンしたばかりの「銀座 和郷」(東京・中央区)へ向かった。歌舞伎座の隣のビル10階に位置する日本料理店…といえば、敷居が高そうで緊張する。だが、実際に訪れてみると、和のおもてなし空間は、実に居心地がいい。

 カウンター8席、テーブル2席、個室4席で、日本料理店では珍しいオープンキッチン。目の前で調理してくれ、その巧みな包丁さばきに、思わず見とれてしまう。

 メニューはおまかせコースのみ(1万5000円=税・サ別)で、前菜から、お吸い物、お造り、魚料理、肉料理、ご飯、デザートまで、全11皿。期待に胸を躍らせつつ、お品書きを見て目を疑ったのが、前菜の「あんパン」。実はこれ、あんこをパンで包んだものではなく、あん肝をパンにのせた同店の定番メニューだ。低温調理されたあん肝を備長炭で焼いた食パンにのせていて、刻んだ奈良漬と芽ネギの食感が程よいアクセントになっている。

 包丁を握るのは、店主兼料理人の小澤敬氏。割烹料理店に生まれ育ち、都内の一流ホテルや有名日本料理店で腕を磨いた後、29歳で「糀谷 和郷」を開業。約7年にわたり、独創的な日本料理を生み出してきた若き料理人で、その集大成となる同店では、自ら全国各地を訪れ、厳選した旬の食材を、斬新な調理で至極の一皿に仕上げている。

 内容はその都度異なるので、詳細はお楽しみだが、例えば、すしなら握りではなくしょうゆ漬けにした生の本マグロ、カツオの酒盗、タマネギスライス、すし飯が器で提供され、大葉とノリとともにいただく…というスタイル。隠し味ならぬ隠し香りとして、あぶらず備長炭で香りだけつけるなど、出てくる料理ごとにいい意味で裏切られ、驚きの連続だ。

 ソムリエの資格を持つ店主が選ぶワインも充実していて、コース料理に合わせて供されるワインや日本酒などとのペアリングも別料金で楽しめる。接待や会食、デートなど、大切な時に行きたいとっておきの店で、ここを知っていたら一目置かれること確実だ。