ここ最近、鉄道界では「超豪華列車」が続々とデビューし始めました。みなさんもニュースで目にしたことがあるかもしれませんが、こういった超豪華列車は乗車代が数十万円するため、気軽に乗れるようなものではありません。私はこれを、実際には行けるけど誰もが行けるわけじゃない“宇宙旅行”と同じだと思っています。

 ですが、無理と言われると余計に乗ってみたくなるのが鉄道ファン! あきらめきれない私は、なんとか乗れないものかと模索した結果、なんと無料で乗車できる超豪華列車を見つけてしまったんです! その列車をご紹介します。

 実はいまから30年ほど前の平成元年には、すでに超豪華列車が走っていました。それは「夢空間」という名前で、かつて走っていた上野~札幌を結ぶ寝台特急「北斗星」などに臨時で連結されていた車両。かなりレアなものだったんです。

 これはJR東日本が、「世界的にも有名なオリエント急行のような一流列車を日本にも走らせたい!」と製造しました。個室もある展望食堂車のダイニングカー、バーカウンターや自動演奏ピアノが設置されたラウンジカー、バスタブ付きの寝台個室があるデラックススリーパーという、“超豪華な”3両です。内装を担当したのは、東急百貨店・松屋百貨店・高島屋で、バブル末期に造られた車両は当時、最上級の超豪華列車でした。

 その後、夢空間は引退しましたが、3両のうち2両は埼玉県の「ららぽーと新三郷」に展示されています! しかもラウンジカーは無料で見学ができるんです。「超豪華列車に潜入だ!」と一歩足を踏み入れると、列車の車内とは思えないほど優雅な空間が広がっていて、一瞬で私を非日常空間へ連れていってくれました。

 施設内のフードコートで購入したものを、車内で食べることもできるんです! ランチどきで店内は満席ですが、車内は私1人で貸し切り状態でした。車内に入れることを知らない方が多いのかもしれません。ぜいたくな時間を思いっきり楽しみました。

 ここで木村ポイント! 現在は新型コロナの影響で見学はお休みですが、コロナの終息後にはまた開放するそうです。事前に公式HPで調べて行ってくださいね。それでは、超豪華列車に無料で乗れる夢空間へ、出発進行~!

 ☆きむら・ゆうこ 1982年8月17日生まれ。愛知県出身。鉄道をこよなく愛する鉄旅タレント。2015年にはJR、私鉄、地下鉄、ケーブルカー、モノレールなど、日本全国にある鉄道を全線乗車する「日本国内鉄道全線完乗」を達成。乗車した走行距離は約2万8000キロメートル。