【鉄旅タレント木村裕子の日本全国おもしろ鉄道】福岡・太刀洗駅は旧駅舎博物館で充実の〝寄り道〟ができますよ

2021年02月09日 16時00分

【写真上】太刀洗駅は、戦時中の情報がたくさん詰まった駅。【写真下】隣接する旧駅舎にはジェット機が乗っています!

 読者のみなさんは、「ちょっと近所の家に届け物をしてくる~!」と出かけたら、お茶が出てきて気付けば数時間たっていた、なんてことはありませんか? 私はこれをフラッと立ち寄った駅で経験しました。そこで今回は、「コーヒーが出てきて話し込んじゃった駅」をご紹介します!

 その駅は福岡県にある、甘木鉄道の太刀洗駅です。乗り鉄中にフラッと降りたことがキッカケでした。まず駅舎を見てビックリ! 屋根に古い飛行機が乗っかっています。正確に言えば隣接する旧駅舎の屋根にあり、その建物には「太刀洗レトロステーション」と書いてありました。どうやら旧駅舎を利用した博物館のようです。

「次の列車まで20分あるし、立ち寄ってみよう」と入って入館料を払うと、受付にいた50代くらいの女性の「コーヒー付きで500円ね!」という言葉をキッカケに、館内を付きっきりで解説しながら回る特別コースが始まったんです。

 この博物館には昭和を語る日用品が1500点ほどあり、炭アイロンや炭コタツ、さらに昭和初期の蓄音機も! 真空管ラジオは今も動くそうです。

 屋根にあった飛行機は、昭和30年ごろに使用されていた航空自衛隊のジェット練習機T―33というもので、こちらも定期的に自衛隊員がメンテナンスに来ているので、今でも飛べる状態とのことでした! ここは戦前、東洋一とうたわれた「旧陸軍大刀洗飛行場」の跡地にあり、当時の暮らしを伝えるための博物館なんです。

 さらに私が鉄道ファンだと知ると、戦時中のまま保存されている「線路地下道」を見せてくださいました。この駅は戦時中、航空隊の関係者が毎日2万人以上利用していて、戦地に向かう兵士が、両親や妻子と別れを惜しんだ「別れの駅」だったそうです。それを聞いてやるせない気持ちになっていると、コーヒーが出てきました。

 ここで木村ポイント! さらに面白すぎる当時のお話を聞いていたら、なんと2時間もたっていました。この日の目的地だった鹿児島にはたどり着けなさそうですが、ここに降りなければ得られなかった情報をたくさんもらうことができました。それではこれからも、積極的に寄り道をしながら出発進行~!

 ☆きむら・ゆうこ 1982年8月17日生まれ。愛知県出身。鉄道をこよなく愛する鉄旅タレント。2015年にはJR、私鉄、地下鉄、ケーブルカー、モノレールなど、日本全国にある鉄道を全線乗車する「日本国内鉄道全線完乗」を達成。乗車した走行距離は約2万8000キロメートル。

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