突然ですが読者のみなさんは「大金持ちになりたい!」と思ったことはありませんか? 私は高校生の時に「芸能人になったら1億円稼げる」と信じていましたが、実際は違いました(笑い)。

 これはもう、神頼みしか望みがない気がします。コロナ禍で旅ができない今、この記事を読んで旅行気分に浸っていただくため、〝神様が行き先を決めてくれる鉄道旅〟をご案内します。

 その場所とはJR烏山線。意外にも、栃木県にあるんです。この路線は、宝積寺駅や大金駅など、縁起のいい駅名が多くあり、〝七福神線〟という愛称がついています。

 さらに路線のキャッチフレーズは「地図のいらない宝探しを烏山線がご案内します!」。7つの駅に七福神が関連付けられていて、駅に着いたらどこへ向かえばいいのか、七福神が指示してくれるんです。

 そこでまず、大金持ちになれそうな大金駅へ向かいました。この駅の担当神は、大黒様。ホームの看板では、イラストの大黒様が「駅前の大金神社には幸福・財宝の神、大黒さまが祭られ縁起ものとなっています」と案内しています。

 この案内通り、まず駅前の大金神社へ向かいました。実はこの神社は駅名にあやかって、JRの職員さんが敷地内に建てちゃった、本格的なものなんです。2013年に完全な無人駅となりその後、駅舎も改築されましたが、それまでは駅員さん手作りの特大小判も飾ってありました。

 大金神社で神頼みをしたら、次は滝駅へ向かいます。こちらでは、弁財天が案内をしてくれました。看板には「近くには『竜門の滝』があり、大蛇が住むと伝説のいわれのある場所です」とあります。

 神様の言う通りに滝へ向かうと、高さ約20メートル、幅約65メートルという、大迫力の大滝が間近で見られるスポットに着きました。ここでは11月ごろに鮭の遡上が見られ、天候によりますが、真冬には滝が凍結する氷瀑も見られるそうです。

 神様の言う通りに旅をしていたら、ダイナミックな大滝の景色を独り占めできるなんて、なんだか運がついてきた気がしてきました。

 ここで木村ポイント! 大金駅が有人駅だったころはジャンボ宝くじの時期になると、縁起担ぎに入場券が爆売れしていたそうですよ。それでは、乗るだけで運気が上がるかもしれない烏山線に、出発進行~!

 ☆きむら・ゆうこ 1982年8月17日生まれ。愛知県出身。鉄道をこよなく愛する鉄旅タレント。2015年にはJR、私鉄、地下鉄、ケーブルカー、モノレールなど、日本全国にある鉄道を全線乗車する「日本国内鉄道全線完乗」を達成。乗車した走行距離は約2万8000キロメートル。