【鉄旅タレント木村裕子の日本全国おもしろ鉄道】お立ち台の聖地「宇宙軒カーブ」の由来は?

2020年10月27日 16時00分

【写真左】名前の由来は、このラーメン屋さんが近くにあるため【写真右】撮り鉄の聖地、宇宙軒カーブから撮影した列車

 特定の仲間内だけで通じる「隠語」ってありますよね。例えば芸能界では、「アゴアシ別で3」と言われたら、「アゴ(食費)とアシ(交通費)は別途支給で、出演料は3万円」ということになります。意味が分かると面白いですよね。そこで今回は鉄道界の、主に撮り鉄が使う隠語を披露したいと思います。

 まず「お立ち台」。これは、このポイントから撮ると絶景の鉄道写真が撮れますよ、という有名撮影地のことを指します。日本各地にあって、たいていの鉄道ポスターや雑誌の表紙は「お立ち台」から撮られたものが多いですね。

 次は「アウトカーブ0角度」。これは、カーブする線路の外側から狙い、列車の顔が真正面を向いて角度のついていない状態の写真のことを言います。技術的な意味のネーミングで、誰でもプロ級のアングルで撮ることができるんです。

「お立ち台」の中にも、面白い名前が付いてるものがあります。福井県のJR北陸本線にある敦賀駅の近くには、連なる山をバックに列車の先頭から最後尾まで押さえることのできる「ダンロップカーブ」があります。これは昔、近くにタイヤメーカーのダンロップの看板があったことが由来になりました。

 他にも、岡山県のJR伯備線には、近くに廃車のセリカが長年置いてあることから「セリカカーブ」、京都府のJR山陰本線には、あの有名菓子メーカーの工場裏に一直線に伸びた線路があることから「コイケヤストレート」と呼ばれる「お立ち台」があるんです。

 数ある「お立ち台」の中でも“憧れの聖地”と言えるのは、崖の上にある「宇宙軒カーブ」です。これは、北海道の洞爺湖の近くを走るJR室蘭本線にあって、山の上からS字に走る列車を俯瞰して撮影できるスポットなんです。

 この場所に行く途中に宇宙軒というラーメン屋さんがあることからこう呼ばれています。「宇宙軒カーブ」からは普通列車や貨物列車のほかに、超豪華列車の「トランスイート四季島」も撮影できますよ。

 ここで木村ポイント!「お立ち台」をもっと知りたければ、撮影スポットに特化した不定期刊行の雑誌「お立ち台通信」や、貨物列車専用の場所紹介の本がおすすめ。知れば知るほど奥深い世界が学べます。それでは、面白い撮り鉄用語を使って撮影地へ、出発進行~!

 ☆きむら・ゆうこ 1982年8月17日生まれ。愛知県出身。鉄道をこよなく愛する鉄旅タレント。2015年にはJR、私鉄、地下鉄、ケーブルカー、モノレールなど、日本全国にある鉄道を全線乗車する「日本国内鉄道全線完乗」を達成。乗車した走行距離は約2万8000キロメートル。

【関連記事】

関連タグ: