【鉄旅タレント木村裕子の日本全国おもしろ鉄道】1958年登場「ビジネス特急こだま」が初 固定窓が主流になった結果、事件が…

2020年04月21日 16時00分

現在都内の通勤電車は、窓を開けて換気を徹底しています

 新型コロナウイルスの感染を防ぐため、最近は「3密」という言葉をよく聞きます。これは「密閉した空間」「密集した場所」「密接した場面」という意味。この環境を避けて感染を予防しようというものですが、私はこれを聞いた時、真っ先に満員電車を思い浮かべました。でも政府が公表した3密の具体的な場所から、満員電車は除外されていて、モヤモヤした気持ちが残ってました…!

 最近はテレワークに切り替える会社が増えたことで、通勤ラッシュは普段の2割ほど減ったそうですが、朝の満員電車の混雑風景は、あまり変わっていないように思います。すると乗客から鉄道会社へ「列車の換気をしてほしい」との要望が相次ぎ、各社は積極的に換気を行う対策を始めました。

 例えば、日本一の通勤ラッシュ電車でもあるJR山手線も、現在は各車両の窓を開けて走っています。最近、私が乗った京浜東北線も窓が開いていて、アナウンスでもたびたび「換気のため、窓は閉めないようご協力をお願いいたします」とお知らせしていました。

 きっと今回の件で「通勤列車って、窓が開く構造になっていたの!?」と、初めて知った方も多いのでは、と思います。

 お父さん世代の方は記憶にあると思いますが、昔の列車の窓は、両手で下のつまみを押さえて、上にスライドして開けるタイプのものが主流でした。ほとんどの列車に冷房がなかったため、乗客が窓を開けて温度を調節する必要があったし、車内で座ったまま、ホームで立ち売りする駅弁屋から、窓越しにお弁当を購入する光景もよく見られました。

 でも現在は、空調設備が進化したことと安全への配慮により、開けられない固定窓が主流になりました。ちなみに日本で初めて登場した窓が開かない列車は、1958年に誕生した東海道新幹線の前身でもある「ビジネス特急・こだま」だったんですよ。

 ここで木村ポイント! 固定窓の列車が増えた結果、停電や緊急停車で空調が止まった時に、体調不良に陥る乗客が続出する事件が起きてしまいました。そこで窓の一部を改造して開けられるようになったんです。窓が開けられるタイプの場合は、ガラス部分に「この窓は開けることができます」というシールが張られていることが多いです。

 それでは、いまは家でも外でも換気をしっかりして、みんなで事態の終息に向けて出発進行!

☆きむら・ゆうこ=1982年8月17日生まれ。愛知県出身。鉄道をこよなく愛する鉄旅タレント。2015年にはJR、私鉄、地下鉄、ケーブルカー、モノレールなど、日本全国にある鉄道を全線乗車する「日本国内鉄道全線完乗」を達成。乗車した走行距離は約2万8000キロメートル。