【鉄旅タレント木村裕子の日本全国おもしろ鉄道】新幹線の青白デザインは「ハイライト」から採用

2020年03月17日 16時00分

東海道新幹線700系が引退したことで、喫煙席が鉄道界から消えました

 望まない受動喫煙を防止する改正健康増進法が4月1日から全面施行されます。

 鉄道界でもここ数年で、喫煙所はどんどん減ってきました。喫煙席がある唯一の列車だった東海道新幹線700系が先日引退してしまい、座席で喫煙できる列車はなくなってしまいましたが、実はたばこと鉄道って深い関係があるんです。

 東海道新幹線のカラーが白と青になった理由をご存じでしょうか? 実は当時、デザインを決める会議を行った部屋にあったたばこ「ハイライト」のパッケージの色から採用されたんです! それまで日本を代表する列車は、クリーム色に赤という日の丸をイメージしたものが主流だったので、当時としては新しい発想だったと思います。

 東京メトロ丸ノ内線が赤色の理由も、建設時に視察へ行った英国で、たばこが入った赤い缶を当時の営団地下鉄総裁が気に入ったことから決まりました。また東京メトロ東西線の水色も、ハイライトから来ています。ハイライトは当時、発売された2週間で4億本を売り上げた大人気商品だったことも採用された理由では、と思います。

 そもそも鉄道発足時には禁煙車はありませんでした。それどころか、運転席や車掌室に灰皿が付いていたくらいです。最初の禁煙車は1908年、新橋~横浜間の急行列車につくられたんですが、これは当時、とても珍しいものでした。それと同時に鉄道営業法も、禁煙場所で喫煙した場合は10円以下の罰金と定められたんです。現在の価格に直すと、10円は20万円くらいだそうです。

 車内での喫煙が当たり前だったのが変わったきっかけは、1980年に起きた通称「嫌煙権訴訟」です。これは「全ての国鉄列車に禁煙車両を!」と、非喫煙者が国鉄や国を相手に提訴したもの。判決では、列車の受動喫煙は我慢の範囲内との理由で、請求は棄却されました。

 国鉄はこの訴訟をきっかけに禁煙車を増やし、乗客への配慮を始めました。ただ私は15年ほど前にJR東海の特急列車で車内販売員をやっていましたが、あの頃はデッキもお手洗いも煙でもくもくしていた印象があります。車掌さんも、乗務の合間に制服姿でホームの灰皿を使って喫煙していましたよ。

 ここで木村ポイント!

 実は、1988年までは地下鉄でもたばこを吸えたことが、今となっては驚きです。ロンドンの地下鉄で火災が起きたことによって、日本の地下鉄も9割が終日全面禁煙になったそうです。それでは、鉄道も社会も完全分煙の時代へ出発進行~! 

☆きむら・ゆうこ=1982年8月17日生まれ。愛知県出身。鉄道をこよなく愛する鉄旅タレント。2015年にはJR、私鉄、地下鉄、ケーブルカー、モノレールなど、日本全国にある鉄道を全線乗車する「日本国内鉄道全線完乗」を達成。乗車した走行距離は約2万8000キロメートル。