【鉄旅タレント木村裕子の日本全国おもしろ鉄道】新型車両キラキラネームの由来

2020年02月25日 16時00分

「おいこっと」のネーミングセンスはすごい!

 生まれた子供に付ける名前に関して、数年前に“キラキラネーム”なるものがはやりました。普通には読めない当て字や、珍しい名前のこと。たとえば男の子で「男」、女の子の「紅葉」。なんて読むか分かりますか? 正解は「男」はアダム、「紅葉」はメイプルと読むんです! 個人的には「よくその読み方、思いつきましたね!」と、絶賛してしまいます。でも最近の鉄道界も、新車の名前がキラキラしているんですよ。

 まずはJR東日本の豪華寝台列車「トランスイート四季島」。“トランスイート”って何語? 英語かな?と思って調べてみると、そんな単語はありません。これはフランス語で列車を意味する「トラン」に、“スイートルーム”などと使われる英語の「スイート」、それに日本語の「四季島(美しい四季と伝統を感じながらの旅の意味)」をミックスして、この愛称が付けられました。

 でも調べたところ、スイートルームは和製英語で、四季島は“敷島”を語源とした日本語だとか。追求すればするほど、複雑ですね!

 次に神奈川県の小田原から静岡県の伊豆の海沿いを絶景に沿って走る観光列車「伊豆クレイル」。これはかなり奥が深い名前です。地名の「伊豆」に「クレッシュート(イタリア語で大人の意味)」「トレイン(これは英語)」「イル(イタリア語で“~に適した”だって!)」。この3つを組み合わせて、「大人に適した列車」という思いを込めたそうです。

 さらに「クレイル」をアルファベット表記したら、CRAILE。これはC(クール)、RAIL(線路)、E(エレガント)を表します。加えて「伊豆に来て“くれ~る”?」という意味も! なんだかイタリア人とアメリカ人のハーフで、ダジャレのセンスもある子に思えてきました。

 最後に、長野と新潟をつなぐJR飯山線を走る観光列車「おいこっと」。この路線は山、川、田園風景…“これぞローカル線”という場所をずっと走るんです。大都会・東京とは真逆の場所という意味から、「TOKYO」を逆にして「OYKOT(おいこっと)」と名付けられました。この発想センスにはうなってしまいました。

 ここで木村ポイント! もともと列車の愛称は、地名や関連するイメージから付けられていましたが、最近は造語や外国語を使うものが増えてきました。列車に乗る時、その由来を調べてみるのも面白いかと思います。

 新型車両は大人たちの知恵と技術から生まれた大傑作! 一生懸命考えたであろう愛称にも目を向けて、出発進行~!

☆きむら・ゆうこ=1982年8月17日生まれ。愛知県出身。鉄道をこよなく愛する鉄旅タレント。2015年にはJR、私鉄、地下鉄、ケーブルカー、モノレールなど、日本全国にある鉄道を全線乗車する「日本国内鉄道全線完乗」を達成。乗車した走行距離は約2万8000キロメートル。