大仏がサングラスをかけているように見えるこの写真はSNSで話題となり、突然超有名スポットになった「大仏サングラス」です。踏切の警報器と大仏を遠近法で合わせた姿は、なんともお見事! 私も見たくなり、実際に行ってきました。

 この写真が撮れる場所は、名古屋の大手私鉄・名鉄の犬山線にある布袋駅の近くです。とても縁起の良い駅名は地名から付けられましたが、大仏とは何の関係もありません。もともとは「はての」と呼ばれた場所が「ほての」になり、いつの間にか「ほてい」となったのが由来です。

 私は個人的に「布袋」と聞くと、布袋寅泰さんの曲「スリル」を思い出してしまいます。いまや「スリル」が登場曲となっている江頭2‥50さんに結び付くので、布袋駅の駅名標の前で江頭さんポーズをして写真を撮っちゃいました(笑い)。

 現在は駅の高架工事が行われているため、布袋駅構内が迷路のようになっています。線路工事作業も間近で見られるので、期間限定の光景にも出会えるんです。ここから線路沿いに江南駅方向へ7分ほど歩くと、お目当ての踏切に到着! さっそく構図を合わせて写真を撮ろうとしたんですが、なんと遮断棒が顔の真ん中に映ってしまいました。

 この結果、「大仏サングラス」を狙えるのは、電車が通過して棒が降りている数秒のみということが判明。タイミングを見計らって狙ったんですが、今度は電車が大仏を隠してしまいます。普段は「電車が映らなければいいのに」なんて絶対に思わないのに、この時ばかりはちょっとだけ思ってしまいました(笑い)。こんな苦労をした後、やっとバッチリ収められたのがこの写真。我ながらナイスです。

 ここで木村ポイント! 実はこの大仏、お寺で祭られているものではなく、なんと接骨院の外壁でした。背中側に扉があってそこから中に入ります。現在、ここで接骨院を営む方のお父さんが、夢のお告げを受けて人々を病気の苦難から救おうと手作りしたもの。高さは18メートルあり、有名な奈良の大仏より2メートル高い設計になっています。

 自作したとは思えないそのクオリティーに、思わず手を合わせて拝んでしまいました。サングラス姿が話題となり、市役所が作った江南市のPRポスターにも登場しています。年末年始にはライトアップもされますよ。それでは来年もこの大仏のように面白い年になるよう願いを込めて、2020年へ出発進行~!

☆きむら・ゆうこ=1982年8月17日生まれ。愛知県出身。鉄道をこよなく愛する鉄旅タレント。2015年にはJR、私鉄、地下鉄、ケーブルカー、モノレールなど、日本全国にある鉄道を全線乗車する「日本国内鉄道全線完乗」を達成。乗車した走行距離は約2万8000キロメートル。