【鉄旅タレント木村裕子の日本全国おもしろ鉄道】1年中リアルハロウィーンを楽しめる「未成線」

2019年11月05日 16時00分

トロッコを走らせた地元を愛するみなさん

 先週の木曜日、31日はハロウィーンでしたね! ここ数年でみるみる規模が大きくなり、いまや日本の行事の一つと言えるほど進化したお祭りになりましたが、予定が合わずに参加できなくて、悔しい思いをしている方はいませんか? そんな方へ朗報です! 日本には“いつ行ってもハロウィーン鉄道”があるんですよ。

 私が実際に乗車して「ここは一年中、ハロウィーンだ!」と思ったのは、福岡県にある“赤村トロッコ油須原線”。実はこの路線は、未成線という特殊な路線なんです。

 未成線とは、計画されたものの途中で建設が打ち切りとなり、未完成となった路線のこと。なぜそんなもったいないことが起きたのでしょうか?

 油須原線は、戦後間もない時期に、筑豊の石炭輸送を増強するために計画されて建設が始まりました。しかし完成して、あとは分岐する線路につなぐだけ!という状態のころには、石炭の需要が急激に減少してしまい、開業しても黒字は見込めないと判断した国鉄は事業を打ち切ってしまったんです。

 ほぼ完成したのにそのまま忘れ去られていましたが、地元の方が地域活性化のために動き出し、試行錯誤のうえでトロッコを走らせて観光鉄道としてよみがえらせました。

 トロッコは、冬季を除く毎月第2日曜に運転していて、大自然に囲まれた往復3・4キロの山の中をゆっくり進みます。お楽しみはコレ! 当時作られた立派なトンネルを進むと、ハロウィーンのシンボルでもあるコウモリが列車の周りを縦横無尽に飛び回るんです。
 
多い日は300匹ほど飛び交うそうで、ひんやりとして薄暗いライトに照らされた先に映る様子はリアルハロウィーン! トロッコのヘッドマークにも満月とコウモリのイラストが描かれていてコウモリ観察は油須原線の名物にもなっています。

 ここで木村ポイント!

 そもそも、なぜハロウィーンにコウモリなのでしょう? 由来を調べてみました。理由は諸説ありますが「魔女はコウモリに化ける」「コウモリは魔女の使い」という迷信が“怖い生き物”とされて、ハロウィーンのイメージに定着したそうですよ。

 次回の走行日は11月10日、冬季期間に入るため、これが年内ラスト走行となります。それでは一年中ハロウィーンの雰囲気が味わえる赤村トロッコ油須原線へ出発進行~! 

☆きむら・ゆうこ=1982年8月17日生まれ。愛知県出身。鉄道をこよなく愛する鉄旅タレント。2015年にはJR、私鉄、地下鉄、ケーブルカー、モノレールなど、日本全国にある鉄道を全線乗車する「日本国内鉄道全線完乗」を達成。乗車した走行距離は約2万8000キロメートル。