【鉄旅タレント木村裕子の日本全国おもしろ鉄道】メルボルンのトラムは指定区間が無料のパラダイス

2019年10月08日 16時00分

メルボルンのトラムは、なんと無料で乗り放題!

 この連載は「日本全国おもしろ鉄道」というタイトルですが、今週と来週は日本を飛び出し、海外編をお送りします。連載初の海外進出です! 実は以前から「女1人バックパッカー」をやってみたくて、このたびオーストラリアへ8日間行ってきました。もちろんたくさんの鉄道に乗ったのですが、日本との違いにビックリ。まず今週は、メルボルンを走る路面電車「トラム」を取りあげます。

 メルボルンでは縦横無尽にトラムが走っているんですが、指定区間はなんと地元の人も観光客も乗車賃が無料という出血大サービス! 鉄ヲタにとってはパラダイスです。しかも無料区間は広く、その範囲内にほとんどの有名観光地が入っています。とは言いつつ、「ホントに?」「降りたあと捕まらない?」とビクビクして乗車したのですが…、本当に無料でした。列車のドリンクバーみたい!

 まず驚いたのは駅も車内もスッキリしていること。余計な物が何もなく、断捨離を徹底したお部屋みたいです。そしてほとんどの列車が低床車でバリアフリー。時刻表はなく、「10分に1本」のようなザックリとした計算ですが、次の列車があと何分で来るか、駅の液晶モニターに表示されているので、あまりストレスは感じません。

 列車の形はさまざまで、頭が突き出たリーゼントヘアのようなもの、ダイエットしすぎたような細い車両もいます。全種類に乗りたくて、1駅ごとに乗って降りてを繰り返し、「タダって最高!」と楽しみました。

 ここで木村ポイント! やっぱり「何で無料なの?」って思いますよね。そこで、北海道出身で移住歴40年の現地ツアーガイドさんに聞いてみました。

「もともとは有料だったんだよ。日本のSuicaみたいなICカードがここにもあって、これが購入に6オーストラリアドル(約430円)かかる。でもほとんどの観光客は、残高が残っていてもそのまま帰るよね? その残高が合計1億オーストラリアドル(約72億円)を超えたことを知った市民が抗議して無料になったんだ」

 これは盲点でした! ですが、日本でも同じような現象が起きているかもしれませんね。ということは、日本でも市民が運動を起こせば、もしかすると山手線が無料になるかも!?

 それにしても、乗車賃無料は鉄ヲタにとって幸せすぎる路線。老後はメルボルンに住みたいなぁ。それでは、財布を忘れても乗れるドリームトレイン、メルボルンのトラムへ出発進行!

☆きむら・ゆうこ=1982年8月17日生まれ。愛知県出身。鉄道をこよなく愛する鉄旅タレント。2015年にはJR、私鉄、地下鉄、ケーブルカー、モノレールなど、日本全国にある鉄道を全線乗車する「日本国内鉄道全線完乗」を達成。乗車した走行距離は約2万8000キロメートル。