今度の日曜日、9月29日、私の大好きな観光列車「きらきらうえつ」が引退を迎えます。今回はこの列車について、思う存分語らせていただきたいと思います!

 名前がとってもかわいらしい「きらきらうえつ」は、新潟県の新潟駅と山形県の酒田駅を結ぶ観光列車です。車窓に映るダイナミックな日本海が“きらきら”輝いて見えることと、沿線の旧国名である“羽越”から、この名が付けられました。名前の通り、外観も赤・ピンク・黄色・青とカラフルで、きらきらしています。

 さらに車内もきらきらであふれているんです!「きらきら情報コーナー」には、きらきらプロジェクションマッピングが流れ、立体のスクリーンに沿線の情報や映像が流れます。

 2001年に運行を開始し、いち早く車内にプロジェクションマッピングを取り入れました。まだプロジェクションマッピングが珍しかったころ、車内で間近で見て感動したことを覚えています。

 純和風で落ち着いた雰囲気の「きらきらラウンジ」は、大きな窓から眺望を堪能できるボックスシートが並びます。他の列車にはない面白いサービスは、茶屋と呼ばれる車内の売店で飲食品を購入すると、ボックス席を約40分間独占できるというもの。観光列車のこういった場所は、フリースペースの場合が多いため、次のお客さんに遠慮したり、知らない人と同席しなくてもいいところに魅力を感じました。

 また新潟、山形といえば、おいしい日本酒の宝庫! 私が乗ったときは、茶屋に沿線の酒蔵から仕入れた10種類の日本酒が並び、そこから3種類が選べる「呑み比べセット」があったので、私は迷わずチョイスしました。

 左の車窓には、たわわに実ったお米が黄金に輝いて揺れる田んぼ、右の車窓にはバーンと広がる日本海。なんだか、羽越を制する女王のような気分になってきました。背中からは、きらきらの後光を感じます。あれ? 完全に酔っぱらっちゃいましたね(笑い)。

 ここで木村ポイント! 同区間の後続列車として、10月5日から観光列車「海里」が登場します。車内には、座席を引き延ばしてフルフラットにできるコンパートメントシートや、沿線の老舗料理店やイタリア料理店のシェフが腕を振るうダイニング車両があるので、さらにバージョンアップした“きらきら”を体感できると思います。

 それでは、先輩から後輩へバトンタッチする貴重な瞬間は今だけ!の、きらきらうえつへ出発進行~! 

☆きむら・ゆうこ=1982年8月17日生まれ。愛知県出身。鉄道をこよなく愛する鉄旅タレント。2015年にはJR、私鉄、地下鉄、ケーブルカー、モノレールなど、日本全国にある鉄道を全線乗車する「日本国内鉄道全線完乗」を達成。乗車した走行距離は約2万8000キロメートル。