【鉄旅タレント木村裕子の日本全国おもしろ鉄道】猛吹雪の中、赤いコートで終点に着いたら“まさか”の出来事…

2019年08月27日 16時00分

富山ライトレールは、最新技術の次世代型路面電車が走ります
 突然ですがみなさんは、旅先を歩いていた時に自殺志願者と間違われて、見知らぬ人に止められたことはありませんか? おそらく、ないですよね(笑い)。でも日本全国を旅した私には、あり得ないことがたまに起こります。その一つがこの出来事です。
 
 富山県を走る「富山ライトレール」へ乗り鉄で行った時のこと。この電車は“日本初のLRT”として鉄道ファンに人気の路線です。ちなみにLRTとはライトレールの略。簡単に言うと、最新の技術が詰め込まれた次世代型の路面電車です。
 
 騒音や振動が少なく車両の床が低いため、乗り降りがスムーズという長所があります。この路線は虹にちなんで7色に色分けされた車両が走っていて「赤色の車両に乗ると恋愛が成就する!」なんて噂もありますよ。
 
 私も赤い車両に乗りたくて、12月に赤いコートを着て富山へ向かいました。私が住んでいる東京とは違った、刺さるような冷たい風が吹く中、ホームで待っていると、なんと1本目で“赤い子”が入線!「今日はラッキーだ♪」と列車に乗り込みました。
 
 まずは全線完乗するため終点まで乗車。ここから沿線を楽しむため、観光をしながら戻ってくるというプランを立てました。でも終点の岩瀬浜駅に降りると、乗車時は快晴だった空模様は黒い雲に覆われ、雪がちらついてきたんです。
 
 岩瀬浜駅から歩いて5分ほどのところに、富山湾が180度広がる岩瀬浜海水浴場があります。ここは白砂青松の浜辺で、晴れた日は立山連峰が望める、景色がとってもキレイな海水浴場。私は事前に調べて見に行く予定を立てたのですが、どんどん雪が強さを増してきてしまったんです。
 
 傘を持っていなかったので迷いましたが、普段から“人も景色も一期一会”と思っているので引くことはできません!「行く」と決めてフードをかぶり、いざ富山湾を目指しました。
 
 横殴りの雪に打たれながら一心不乱に歩いていると、海を目の前にしたところで突然、背後から腕をつかまれ、「どこ行くんだ!?」と怒号が飛んできました。
 
 驚いて振り向くと、さっき通り過ぎた道路工事の作業員さんが、血相を変えてこちらを見ています。「えっと、旅行で来て、海が見たくて…。ごめんなさい!」と意味も分からず謝ると、作業員さんは「なんだよ~、目が死んでたから海に飛び込む自殺かと思ったよ~(笑い)」。自殺志願者と勘違いしたそうです。
 
 ここで木村ポイント! 今後、吹雪の中を1人で歩く時は、ほほ笑みながら散策しましょうね。それでは晴れた日なら絶景に出合える富山ライトレールへ、出発進行!

☆きむら・ゆうこ=1982年8月17日生まれ。愛知県出身。鉄道をこよなく愛する鉄旅タレント。2015年にはJR、私鉄、地下鉄、ケーブルカー、モノレールなど、日本全国にある鉄道を全線乗車する「日本国内鉄道全線完乗」を達成。乗車した走行距離は約2万8000キロメートル。