【鉄旅タレント木村裕子の日本全国おもしろ鉄道】無人駅なのに年間30万人が利用する「田んぼアート駅」

2019年07月30日 16時00分

「おかあさんといっしょ」のキャラクター「ガラピコぷ~」の田んぼアート (C)NHK
 いまの時期、最も旬な駅が青森県にあります。田んぼの真ん中にポツンとある無人駅なのに、国内外から年間約30万人もの人が集まる、その名も「田んぼアート駅」。駅名の通り、田んぼをキャンバスにした田んぼアートがすぐ真横にあるんです。
 
 このイベントは1993年、人口約8000人の田舎館(いなかだて)村の村おこしとして始まりました。年々、たくさんの人たちが訪れるようになったため、会場「道の駅いなかだて」のすぐ近くに2013年、弘南鉄道が田んぼアート駅を新設したんです。冬季は列車が停車しないため、実質的には臨時駅となります。
 
 無人駅で、待合室のみがあるホームですが、お米の形をしたボード約280枚に、沿線住民がカラフルにイラストを描いて掲げた、通称“ライステーション”で駅もまるごとアートになっています。
 
 今年の田んぼアートのテーマは、NHK朝の連続テレビ小説「おしん」と、放映60周年を迎えた「おかあさんといっしょ」のキャラクター「ガラピコぷ~」の2つです。テーマを決めた方は、NHKが大好きなのかな?と推測します(笑い)。
 
 この田んぼアートは、4階の展望所から見下ろします。1万5000平方メートルの巨大な絵は、こちらに迫ってくるような迫力があり、「本当に稲で作ったの!?」と誰もが驚く圧巻絵図です。
 
 館内のスタッフによると「初めは3色の稲で始めたけど、年々腕が上がって今は7色の稲で緻密に描いています。初期のころにモナリザを作ったら『太ったモナリザ』と言われてね~。真上から見ると完璧でも、斜め上の展望台からだと遠近法でそう見えてしまって。そこで展望台から見た時に一番キレイに見えるよう、毎年試行錯誤を重ねてここまで来ました!」と、大変な苦労を教えてくれました。
 
 実はこの田んぼアート、誰でも田植えに参加することができるんです。今年は5月に、一般応募した1300人が参加しました。田植えは終わってしまいましたが、9月29日には稲刈り体験ツアーがあります。田舎館村役場へ事前申し込みで参加無料、昼食におにぎりと豚汁が付いてくるそうです。田んぼアートは10月6日まで開催されます。
 
 ここで木村ポイント! 実は、冬も数日だけ巨大なイラストが出現します。雪で描かれた「スノーアート」もまた圧巻ですよ。それでは、全て手作業で作られた“生きた芸術”を見に、弘南鉄道で出発進行~!
 
 (毎週火曜掲載)
 
☆きむら・ゆうこ=1982年8月17日生まれ。愛知県出身。鉄道をこよなく愛する鉄旅タレント。2015年にはJR、私鉄、地下鉄、ケーブルカー、モノレールなど、日本全国にある鉄道を全線乗車する「日本国内鉄道全線完乗」を達成。乗車した走行距離は約2万8000キロメートル。