【鉄旅タレント木村裕子の日本全国おもしろ鉄道】マスク必須の無人駅! 駅周辺は真っ白!!

2019年06月18日 17時00分

駅周辺は石灰石の粉じんで真っ白
「この駅に行くなら絶対にマスク必携で!」というおもしろい駅が、日本で1か所だけあります。できたらメガネもあればなおいいですが、完全防御したい方は、ガスマスクをおすすめします。安心してください。この駅でガスマスクをして歩いても、不審者にはなりませんよ!
 
「いったいどんな場所なの!?」というその駅は、福岡県のJR後藤寺線にある船尾駅です。事前に実際に行った人の話を聞いていたので、車内でマスクを装着して下車したところ、あまりの異世界に絶句してしまいました。無人駅のホームは、地面も駅名標も待合室も真っ白な粉まみれになっているんです! 風が吹くと視界も白くなり、「なんじゃここは!」とたたずんでしまいました。
 
 粉の正体は、近くにあるセメント工場の粉じんです。ここ筑豊はかつて、黒ダイヤと呼ばれる石炭と、白ダイヤと言われた石灰石の掘削が盛んでした。最盛期には、船尾駅は石灰石の積み出し駅としてたくさんの機関車が行き交っていましたが、現在はセメント会社が1社のみ残っています。
 
 ホームからは工場のむき出しのパイプと、煙突から立ち上る煙が見渡せます。雪とはまた違う真っ白な世界を探検しようと駅を出たんですが、人の気配がまったくない! お店も自動販売機もありません。
 
 工場に向かって歩いていると、大きなトラックが何台も私を追い越していき、その度に舞う粉じんを全身に浴びるので、自分まで白くなっていきます。工場の風景がずーっと続くので、まるで機械の世界に来た気分。あちこちに「立ち入り禁止」とか「危険」という看板がありました。
 
 しばらくすると、工場から人が歩いて出てきました。作業員らしきその方は、フルフェースのガスマスクをしています。日常でガスマスクをして歩いている人を初めて見たので、興奮して写真を撮っていると、突然大きな音のサイレンが鳴り始め、直後に「ドカーン!」と地割れのような爆発が起きました。掘削のためのダイナマイトだったようです。
 
 ここで木村ポイント! 雨の翌日は白さが半減するため思う存分、粉じん体験をしたい方は、ぜひ晴れが続いた日に行ってくださいね。それでは、ダイナマイトやガスマスクが日常の船尾駅へ、出発進行!
 
 (毎週火曜掲載)
 
☆きむら・ゆうこ=1982年8月17日生まれ。愛知県出身。鉄道をこよなく愛する鉄旅タレント。2015年にはJR、私鉄、地下鉄、ケーブルカー、モノレールなど、日本全国にある鉄道を全線乗車する「日本国内鉄道全線完乗」を達成。乗車した走行距離は約2万8000キロメートル。