【鉄旅タレント木村裕子の日本全国おもしろ鉄道】日本で唯一!仏様が社長のケーブルカーが京都に!!

2019年05月28日 17時00分

仏様が社長のケーブルカーが京都にあります
「八百万の神」という言葉があるように、日本にはたくさんの神様がいると言われます。でもそんなたくさんいるとしたら、「神様や仏様って普段、何をしてるのかな?」と疑問に思ってしまいました。きっと、人と人の縁を結ぶ“人事部神様”や、お金の縁を結ぶ“経理部仏様”などがいると勝手に推測したんですが、職業が明確になっている仏様が存在します。日本で一つだけ、仏様が鉄道会社の社長をやっている路線があるんです。
 
 京都府にあるケーブルカー「鞍馬山鋼索鉄道」は、山の上にある鞍馬寺への参拝者のために造られました。鉄道事業法による許可もちゃんと受けていて、日本で唯一、宗教法人が運営している鉄道なんです。ということは社長は仏様! では仏様が鉄道会社を運営すると、どんな経営方針になるのでしょう?
 
 まず乗務員さんや駅員さんはお坊さんで、制服ではなく作務衣を着ています。しかも運賃はなんと0円! 日本で一番安い鉄道です。さすが仏様、懐が深いですねえ。
 
 ただホントに無料かというとそうではなく、乗車時に鞍馬寺へ諸堂維持の寄付金1口200円を寄付すると、鞍馬寺からのお礼として無料で乗ることができる、という仕組みです。切符の代わりに、蓮華の花びらの形をした紙の散華札がもらえます。以前は有人の窓口でやりとりをしていましたが、今は自動販売機を導入。仏様も、時代に合わせて最先端技術を使うんですね(笑い)。
 
 車両は、幼いころに鞍馬寺で修行した源義経の幼名にちなんで、“牛若號”という名前が付いています。作務衣姿の運転士さんが「ドアが閉まります~」と放送して発車すると、自動アナウンスが「鞍馬山一帯の森は虫・鳥・木が助け合い、調和を保って生きています。もちろん人間も一員です。深呼吸をして心身を洗い清め、すがすがしいお山の活力を十二分にお受けください」と流れてきました。乗っただけで、徳が積めるので“お得気分”を味わいました♪
 
 ここで木村ポイント! 仏様の社長は鉄道を造ったのに、「できれば乗らないでね!」とも言っています。これは「自然の中を歩いて参拝してこそ、鞍馬寺の本尊であり、自然の力の根源である『全ての生命の生かし存在させる宇宙エネルギー』をより強く感じることができる」という考えからだそうです。
 
 それでは仏様が鉄道会社の社長を務める鞍馬山鋼索鉄道へ、出発進行!
 
 (毎週火曜掲載)
 
☆きむら・ゆうこ=1982年8月17日生まれ。愛知県出身。鉄道をこよなく愛する鉄旅タレント。2015年にはJR、私鉄、地下鉄、ケーブルカー、モノレールなど、日本全国にある鉄道を全線乗車する「日本国内鉄道全線完乗」を達成。乗車した走行距離は約2万8000キロメートル。