【鉄旅タレント木村裕子の日本全国おもしろ鉄道】多くの車内販売が消えましたが… 継続中の路線を見つけてぜひ会話を!

2019年04月02日 17時00分

20歳のころ。車内販売員をやってました!
 3月16日にダイヤ改正があったんですが、JR各社の特急列車や新幹線から、多くの車内販売が消えてしまいました。
 
「お弁当は車内で買えばいいや」と乗り込んでも、車内販売がないと到着までが“断食修行”と化してしまうんです!
 
 実は…私は20歳のころ、JR東海の特急列車で車内販売員を2年間務めました。今回はその経験から、車内販売廃止についてちょっとだけ首を突っ込みたいと思います。
 
 ひと口に車内販売廃止と言っても、“一部区間で廃止”とか“一部列車のみ廃止”など、内容はJR各社で異なります。廃止した区間が最も多いのはJR東日本。約7割もの新幹線で車内販売を終了しました。特に上り新幹線から消えたため、東京方面行きに乗車する際はご注意ください。
 
 またJR北海道は車内販売をすべて廃止、JR四国でもごく一部の特急列車を除いて廃止。この春、当たり前の風景が一変してしまったんです。廃止の理由は、売れないことと人手不足。売り上げは2000年をピークに減少し、いまではピーク時の半分以下にまで落ち込んでいるそうです。
 
 私が車内販売員を務めていたのは02年ごろ。お昼時には駅弁が飛ぶように売れ、出張帰りの6人組のサラリーマンに「それ、ケースでちょうだい!」と、1箱24本入りのビールとたくさんのおつまみを“爆買い”してもらったこともありました。
 
 私の担当は、長野や和歌山の観光地へ行く特急列車。お客さんとの会話がとても多くて、話せば話すほど売り上げにも直結していた印象があります。沿線のおすすめスポットや名所を聞かれることが多く、答えられないと悔しくて、休日に実際に出かけて偵察したり、パンフレットを持ち歩いたりしていました。
 
 また関西のお客さんは面白く値切ってきたり、九州の方からは「名古屋弁で接客して」とリクエストされたことも。マニュアルだけではできないけど、やりがいもありました。でもJR東海も、13年に特急列車の車内販売を全廃しています。
 
 ここで木村ポイント! 最近は駅ナカにお店も増え、車内販売は価格や品揃えの部分で負けてしまいます。でも旅の楽しさは、おカネでは買えないコミュニケーション! その点でいえば、販売員の数だけレパートリーがあります。
 
 ちなみに「車内販売員のことが好きな鉄道ファン」のことを“車内販売鉄”と呼ぶ鉄ヲタもいます。みなさんもぜひ、車内販売をしている路線をみつけて、販売員との会話を試みてくださいね。
 
 それでは「ホットコーヒーに、お弁当でございます」という声が響く車内販売へ、出発進行!
 
(毎週火曜掲載)
 
☆きむら・ゆうこ=1982年8月17日生まれ。愛知県出身。鉄道をこよなく愛する鉄旅タレント。2015年にはJR、私鉄、地下鉄、ケーブルカー、モノレールなど、日本全国にある鉄道を全線乗車する「日本国内鉄道全線完乗」を達成。乗車した走行距離は約2万8000キロメートル。