【鉄旅タレント木村裕子の日本全国おもしろ鉄道】あなたも映画ロケに登場する再現車両の“直し鉄”になれます!

2019年04月09日 17時00分

一日作業員として、車両の塗装を担当しました!
 時刻表には載っていないけど、お客さんを乗せて走る鉄道があります。保存鉄道と呼ばれるもので、日本には北海道から九州まで30路線ほどあります。廃線になった路線を地元の方やボランティアの方が引き受け、観光施設として展示したり復活運転をしている鉄道です。
 
 そう言うと「廃線になった路線が観光名所として成り立つの?」と思われそうですが、保存鉄道だからこそ出せる魅力が詰まっています! 私は先日、保存鉄道の一つである岡山県の片上鉄道へ行ってきました。
 
 大正12年に開業し平成3年まで走っていた片上鉄道は、「東洋一」とも呼ばれた柵原鉱山の硫化鉄鉱輸送を主に行っていました。廃線後、有志らが「片上鉄道保存会」を立ち上げ、現在は18人の会員が所属しています。ただこの団体、ただものじゃない! 鉄道を復活させる救世主でもあるんです。
 
 ローカルな街並みの中を走ったり古い駅舎があるため、片上鉄道は映画のロケ地としてもたびたび使われています。北野武監督の「アキレスと亀」にも登場しました。こういった撮影に関して保存会は「昭和20年代の岡山県伯備線の設定で」など、具体的な設定を指定されて注文を受けます。そうすると会員たちは、当時の列車の塗装を徹底的に再現してくれるんです!
 
 その完璧な技量から、本当の鉄道会社から修理や塗装再現の依頼も舞い込んでくるとか。自分たちのことを“直し鉄”と呼ぶある会員は「再現した車両が映画のスクリーンに出てきた時はものすっごく快感! 鉄道ファンがSNSで盛り上がっている様子を見るのも、たまらなくうれしいですよ」と話していました。
 
 保存会の方々の尽力により、片上鉄道は毎月第1日曜日、実際に列車を運行し、乗車することもできるんです。私が行った日は、普段は助産師をされている会員の方が運転士となっていました。ここは遊園施設のため、鉄道の運転免許は必要ないのですが、保存会が決めた厳しい試験に合格しなければ運転することはできず、停止位置を間違えた場合は8万円の罰金を取られるそうです。
 
 ここで木村ポイント!1回300円払えば「一日作業員」として、保存活動に参加することもできます。私が参加した時は、車両の塗装や線路を固定する“犬釘”を打つ体験をしました。塗装後にキレイな顔で実際に走る姿を見た時、全身が感動で包まれました。それではいまも生き続け、みんなに感動を与えてくれる片上鉄道へ、出発進行! 
 
(毎週火曜掲載)
 
☆きむら・ゆうこ=1982年8月17日生まれ。愛知県出身。鉄道をこよなく愛する鉄旅タレント。2015年にはJR、私鉄、地下鉄、ケーブルカー、モノレールなど、日本全国にある鉄道を全線乗車する「日本国内鉄道全線完乗」を達成。乗車した走行距離は約2万8000キロメートル。