写真の場面であなたならどうする? 何を切る? 下にある【答え】を読む前にまずは考えてみよう!
熱戦が繰り広げられている麻雀「Mリーグ」で話題になるのが〝プロならではの選択〟だ。「ここでそれを切るのか!」「その牌を鳴くの⁉」とファンを驚かせ、うならせる打牌選択を当コーナーでは毎週、クイズ形式でお届けしている。さあ、じっくり考えたら、答え合わせ。プロがどんなことを考えているのか…そこにはハイレベルな〝読み〟と、素人には想像もつかない思考が隠れているはずだ。
【答え=2萬】役牌の東を鳴いてイーシャンテン。ドラが2枚あり最低でも5200点が見える手で、近藤誠一(セ)はまさかの牌を切り出した。2萬だ。見た瞬間、完全なる孤立牌である8筒に手をかけるプレーヤーも多そうなところを、あえて1・4萬の両面待ちを消す選択は、よほどの根拠がなければ生まれない。「大きく打って大きく勝つ」がモットーのベテランは、どんな未来を描いていたか。
まだ東1局ながら親番の岡田紗佳(サ)が気持ちよく得点を重ねていた。安い手でいいから親を流したいと思うところ、近藤の考えはまるで別だ。「岡田選手が1人抜けている状況なので、なるべくなら満貫以上に仕上げたい」と、チャンスはしっかりと生かすことにした。
前巡には7・8筒持ちから7筒を切って対子系に絞ったばかり。このタイミングで東が鳴けたが、8筒を切ってはあからさまな両面落としに見える。その後に2萬切りとなると、相手から待ち牌を読まれやすいと考えた。
「捨て牌も1萬が場に2枚切られてしまっており、待ちとしては若干弱くなってしまった。ここで4萬に頼るくらいなら、先に2萬を打って対々和の決め打ちにすれば、待ちも読まれにくい」と打点も高くなる方向に切り替えた。また1枚は余剰牌を持てるため、中盤戦に入ったところでの安牌確保もしやすい。近藤流に言えば「攻守兼用の対々和」だった。結果は3萬を終盤にポンしてテンパイ、直後にこぼれた5筒でロン。この試合のトップを取るきっかけとなった、貴重な満貫となった。