写真の場面であなたならどうする? 何を切る? 下にある【答え】を読む前にまずは考えてみよう!

 熱戦が繰り広げられている麻雀「Mリーグ」で話題になるのが〝プロならではの選択〟だ。「ここでそれを切るのか!」「その牌を鳴くの⁉」とファンを驚かせ、うならせる打牌選択を当コーナーでは毎週、クイズ形式でお届けしている。さあ、じっくり考えたら、答え合わせ。プロがどんなことを考えているのか…そこにはハイレベルな〝読み〟と、素人には想像もつかない思考が隠れているはずだ。


【答え=六萬(リーチ)】まさに攻防一体。相手のアガリ牌を止めつつ、一発で出アガリするようなことがあれば、雀士冥利に尽きるところだろう。鈴木たろう(赤)は、南場の親番を3着目から2万点以上離されたラス目で迎えていた。少しでも高打点を求めたいところで真っすぐ行けば放銃だったがこれを回避、それが一発のアガリにつながるというダブルでのファインプレーを演じてみせた。

 14巡目のテンパイは、7萬を切れば6・9萬待ちの高目でタンヤオ・平和・一盃口・ドラの満貫、さらにリーチ・ツモなら跳満、6000オールという大チャンスだった。ところがここで鈴木が河に放ったのは、タンヤオこそ確定するものの、平和と一盃口が消える6萬。この選択の理由は何か。

「場に役牌が全て切れていたので、多井選手の仕掛けはタンヤオだろうと思っていました。多井選手の仕掛けレンジからテンパイ濃厚で、場況的に4・7萬の危険度が高いと判断し、現物の6萬切りリーチとしました。結果、東城さんへの放銃牌を止めてアガリに結び付けられたのは僥倖です」

 鈴木が言うように多井隆晴(渋)はタンヤオの仕掛けで、6索の片アガリというテンパイ。警戒した4・7萬待ちではなかったが、その裏で下家の東城りお(セ)がカン7萬のテンパイを入れていた。打点に溺れず警戒を緩めなかったことが、結果として他の選手のアガリをかわすというケースになった。

 細心の注意を払ったご褒美は、その東城から放たれる。一発で8萬がこぼれ、リーチ・一発・タンヤオ・赤の1万2000点。7萬切りなら放銃、箱ラスの危機だったことを考えれば、その一打は天と地ほどの差があった。