写真の場面であなたならどうする? 何を切る? 下にある【答え】を読む前にまずは考えてみよう!

 熱戦が繰り広げられている麻雀「Mリーグ」で話題になるのが〝プロならではの選択〟だ。「ここでそれを切るのか!」「その牌を鳴くの⁉」とファンを驚かせ、うならせる打牌選択を当コーナーでは毎週、クイズ形式でお届けしている。さあ、じっくり考えたら、答え合わせ。プロがどんなことを考えているのか…そこにはハイレベルな〝読み〟と、素人には想像もつかない思考が隠れているはずだ。

【答え=4索(ダマ)】

強者は幸運を生かすことはあっても、それに溺れることはない。堀慎吾(サ)の手牌、タンヤオ・赤2・ドラの満貫テンパイが入った。さらなる幸運を求めてリーチ・ツモがつけば逆転の跳満完成だが、かき集めた情報を整理したところ、リーチするという選択は出てこなかった。アガリやすさ、着落ちのリスク。全てを考えた上の打牌は後のアガリにつながった。

 オーラス、トップを走る魚谷侑未(セ)を逆転する条件は跳満ツモか満貫直撃。ただ、3着目の多井隆晴(渋)とは3400点という微差。さらに箱下のラス目にいた佐々木寿人(格)は、素点回復のために打点を求めてくることが予想された。「放銃したら3着落ち。3着目の多井選手は跳満放銃しても3着のままなので、ほぼ降りない」。無理攻めに出てカウンターを食らった時のことを考えると、うかつなリーチは打てないところだ。

 3筒待ちに自信があれば、それでもリーチしたかもしれないが、いい待ちには思えなかったという。先制リーチの佐々木に対して、多井が「丁寧に安牌を切っていた」ことで、押し一辺倒でないと確認した。初めて押した2筒を見た感想は「多井選手の目から通りやすい2筒、つまり3筒を固めて持っているから(自分の)3筒待ちは悪い」というもの。読み通り多井の手には3筒が暗刻で、残り1枚のカン3筒という苦しいリーチを打たずに済んだ。2筒切りのイーシャンテンに戻し4索のくっつきを待つという発想もあったが、2索が3枚切れた河も見て、その選択肢も消した。結果、選んだのはダマテンによる筒子の待ち形変化。「序盤の多井選手の9筒切りで、8筒が山にいると思っていた。2・4・6筒引きで8筒待ちに変化できたり、5・8筒引きで多面張だったりと筒子変化が豊富でした」と、こちらには手応えがあった。

 また自分がアガらないBプランも考えていた。4索切りという攻めの態度を見たトップ目・魚谷の差し込みだ。「自分に逆転手が入ったであろうと推測して、寿人選手に無理にでも差し込みに行って試合を終わらせてくれる可能性が高まる」と、2着確保の期待値も上がると踏んでいた。選択は成功し、2筒を重ねて理想的な2・5・8筒待ちのリーチ。山に3枚残っていた8筒を多井がつかみ、満貫の出アガリとなった。