写真の場面であなたならどうする? 何を切る? 下にある【答え】を読む前にまずは考えてみよう!

 熱戦が繰り広げられている麻雀「Mリーグ」で話題になるのが〝プロならではの選択〟だ。「ここでそれを切るのか!」「その牌を鳴くの⁉」とファンを驚かせ、うならせる打牌選択を当コーナーでは毎週、クイズ形式でお届けしている。さあ、じっくり考えたら、答え合わせ。プロがどんなことを考えているのか…そこにはハイレベルな〝読み〟と、素人には想像もつかない思考が隠れているはずだ。

【答え=南】目の前にある跳満のテンパイよりも、引いてきた牌の危険度を信じて手を崩す。自分の読みが外れていれば、完全な独り相撲で赤っ恥をかくところだ。ただしMリーグという修羅場で戦うベテラン近藤誠一(セ)は、さほど悩むことなく撤退。このプレーはファンから「神回避」と呼ばれた。

 まだ前半(東3局2本場)だとはいえ、4着目であれば早く点数を回復したい場面。それでも近藤には引いてきた5萬を切り飛ばす未来が見えなかった。対子で持っていた南に手をかけたのは「自分の待ちが弱い」から。「1枚切れの南とドラ(8索)のシャンポン待ちなので、他者に持たれていてもおかしくなく、アガり切るのは難しい」と手元にある跳満は薄く感じていた。半面、完全撤退していたわけでもなく「5萬周りを引けば満貫に点数は下がるがギリギリまで攻めたいと思っていました」とチャンス継続という見解だった。

 なぜそこまで5萬が切れなかったのか。リーチしていた瀬戸熊直樹(雷)には「筒子はほぼ通りそう」で、かつ「萬子は一番情報が少ないが9萬が序盤に切られている」ことを頼りに、6萬を持っていると判断。3・6萬の筋は通りやすいと見た。さらに「6・7・9萬と持っていたなら2巡目の9萬が早すぎる。よって8萬も比較的通りやすい」「1萬であればタンヤオもつかないので切ろうと思っていた」と潰していくと、残るは2・5萬、4・7萬の筋。

「4・5・7萬を引いた場合は再びテンパイできる可能性もあるので、南切りは迷いませんが、2萬を引いた場合のみ大長考していたと思います」。なお瀬戸熊の手は6・7・8萬の面子を含む2・5萬待ち。全て近藤の読みどおりだった。