【週刊Mリーグ】スーパースター・多井プロの繊細な泣き ホップからステップ・ジャンプへ

2020年12月02日 16時00分

リャンメンの受けは悪くなさそうだが、欲張らずに動いた

 プロ麻雀リーグ「Mリーグ」2020シーズンは開幕2か月が経過。好調なのは…。先週の結果と名場面を、選手として出場中のモデル兼プロ雀士・岡田紗佳が徹底解説する。

 KADOKAWAサクラナイツの岡田紗佳です。今月に入ってABEMASは絶好調で、先週末にはついに首位になりました。ABEMASのエース、麻雀界のスーパースターといえば多井選手ですが、皆さんどのようなイメージを持っていますか? 守備型で腰が重く、リーチして決めるという印象を持っている人は多いと思いますが、意外と繊細な鳴きをよくするのです。それがよく表れた一局がありました。

 多井選手が2着目で迎えたオーラスの親番、3着目の近藤選手とは3400点差、4着目の朝倉選手とは1万2600点差です。トップの亜樹選手をまくりたい一方で、近藤選手との差はわずかですし、朝倉選手にもリーチ棒が出た上で満貫ツモされたらかわされてしまいます。

 69筒、25索の一向聴の10巡目、亜樹選手から出た6筒をチーして、タンヤオ赤1でテンパイ。近藤選手から2索を直撃して2900点のアガリとなりました。

 このチーを見て、率直に私はできないなと思ったんですよね。9筒の場況がよくて、ほとんどの人が持ってなさそうですし、25索は不明ですが場に切られたのは1枚だけです。6筒を引いてリーチしてツモれば4000オールで亜樹選手をかわしていったんトップ目に立ちます。ほかにも一発や裏ドラ、赤が絡めば跳満になるルートが見える手です。

 鳴いたら赤5索をツモってもマックス2000オールですから、チーするのを我慢して4000オールを引きにいくぞ、と考える人もいるでしょう。しかし、ここでの2900点のアガリは大きいのです。実際には直撃だったためもっと広がったのですが、仮に他家からアガっても近藤選手との差は6300点となり、着順アップの条件がさっきより厳しくなります。朝倉選手も満貫ツモでは届かなくなります。

 2人ともある程度の手を作らねばならないため、次局に多井選手が先制リーチを打てる確率や、親番を維持できる可能性は高くなります。1回アガって2着の足固めをしてからトップを狙いにいくというチーでした。

 ホップ・ステップ・ジャンプで言うとホップのアガリです。一度このようなアガリを決めてから、その後に大きい手を決めている場面をよく見ます。この時も次局に先制リーチで3900点ロン、その次に満貫をツモってトップとなりました。

 多井選手は全てが高い次元で安定しているオールラウンダーという印象です。そしてとにかくあらゆることに繊細。Mリーグの1シーズン目からずっと好成績を残しているのがよく分かる一局でした。

 ☆おかだ・さやか 1994年2月19日生まれ。東京都出身。モデルやグラビア、バラエティー番組などで活躍。漫画原作も手がける。日中ハーフで、6歳のころから麻雀に親しみ、2017年4月に日本プロ麻雀連盟所属女流プロ雀士となった。「KADOKAWAサクラナイツ」から指名を受け、昨シーズンからMリーグに参戦。青山学院大学出身。T170・B85・W58・H83。“役満ボディー”の異名を持つ。

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