【週刊Mリーグ】昨季チャンピオン・小林剛が語る2020シーズンへの抱負 

2020年09月19日 12時00分

シーズン優勝を決定付ける局面①ドラの南単騎をヤミテンにして、②ライバルからアガった。③重要な場面でも表情は変えず

【特別企画・トップMリーガーインタビュー】誰もが気になる“麻雀サイボーグ”の素顔に迫った特別インタビューもラスト。プロ麻雀リーグ「Mリーグ」2019シーズンを制した「U―NEXT Pirates」の“船長”小林剛に、来季への意気込みや若手をどう見ているのかを聞いてみた。

――いよいよ10月5日に新シーズンが開幕します。目標は連覇ですね

 小林 もちろん優勝が目標ではあります。優勝のためになんでもやるんですけど、そのためにちょっとずつ積み重ねるしかないんで。結局ファイナルまで百何十半荘あるので、ちょっとずつ得する麻雀を積み重ねていければ、100戦もあると結構差ができますね。

 ――新シーズンに向けて、チームとしてバージョンアップした部分、したい部分はありますか

 小林 ここというか、4人の総合力という感じですね。押しすぎな人と雑な人といろいろいるので、4人がちょっとずつレベルが上がってと思ってるんで。2年間やってきたんですけど、ボクの知識を3人に全部伝えようと思ってしゃべってるんで、そうなればもうちょっといろんな知識をもってバランスを取れるようになるんじゃないかと。逆にボクも彼らからいろいろ教えてもらってるんで、お互いの知識を全部さらけだして、その中でバランスよく強くなってほしいなと思いますね。

 ――前年度チャンピオンとしてプレッシャーがかかります

 小林 負けたらまずいなあと。ボクはあんまりないんですけど、そう思って手が縮こまっちゃうチームメートがいなければいいなと願ってます。そうなりそうな人はいますね。2人か3人いますね(笑い)。我々は思い通りにならない麻雀というゲームのプロでやってるはずなんで、負ける姿を見せるのも仕事だと思ってるんですね。勝つところだけを見せるんじゃなくて、勝ったり負けたりするところを見せる。

 ――「負ける姿を見せる」という言葉はいろいろ考えさせられます

 小林 けっこう野球の数字が好きで、野球とも比べるんですけど、3割バッターってかなり優秀じゃないですか。でも7割失敗するじゃないですか。その7割の失敗することで落ち込んでいてもしようがない。その3割を3割1分にあげるためにみんな努力しているわけで。それと一緒でその7割が出ちゃったとしてもしようがないですよね。

 ――どんな競技のスーパースターでも失敗やミスをしない選手はいません

 小林 勝ってるところも負けてるところも見せる仕事として認知してもらえるように僕も広めていかなければいけない。珍プレー好プレー大賞みたいに、メンチン見逃しとかノーテンリーチとかが何十年とかの未来に笑って放送されるようになったらいいかなと思いますね。

 ――個人の目標は

 小林 個人成績はほとんど気にしてないですね。上にいることに越したことはないですけど、優勝のために4人でやっているので、個人成績はオマケ。昨シーズンはたまたまボクが4人の中では一番良かったんですけど、ボクが一番貢献したという気はなくて、90戦を4人でやったら、どう4つに分けても勝ってるところと負けてるところがあって、たまたま勝ってるところに僕が座っていたくらいの感覚ですね。誰々が頑張ったとか、誰々が負けて落ち込んでるとかあんまり気にしてなくて、4人で頑張ってトレーニングして交代で順番に座って結果を体現しているという感覚なんですね。

 ――それでも小林選手が出てくると、ものすごい安心感のようなものを感じます

 小林 印象の問題なんじゃないですか。それは長年作ってこられたキャラのせいなのか。確かにMリーグ29人の中で、何があっても動じないでそのまま打つ方だと思いますね。

 ――若く見えますが、Mリーガーの中でもプロ歴はかなり長い。若手の麻雀を見て何を感じますか

 小林 みんな技術は上手ですよね。勉強している。むしろ若者の方が新しいセオリーを積極的に取り入れているんで。僕とか多井(隆晴)さんくらいの世代になると、上の人たちの戦術はよ~く知ってるんですね。ただ若者たちの話を取り入れないといけないなと思いますね。だいぶ変わってきてますよね。第1打に東場の東と西のどっちから切るかとか。昔はごく一部の人が東から切るべきだと言ってたんですけど、今は東から切る人の方が多くなりましたね。

 ――今シーズンは麻雀、Mリーグのさらなる広がりが期待されています

 小林 優勝チームなので勝つだけじゃいけないと思うので、ちゃんと広める仕事もしていかなければいけないと思います。麻雀にちょっとハマっている人はもっと堂々とハマってほしいし、知らない人には知ってほしい。僕ができるのは麻雀にちょっとハマりつつあるような、番組を見始めた人たちに分かりやすく解説するとか、麻雀教室みたいなところに来てくれた人に麻雀というのはこういうゲームだよ、と教えてあげて楽しんでもらって広めてもらう。伝える仕事が大事かなと。僕だけじゃなくて4人で、優勝チームとして恥ずかしくない麻雀プロとして振る舞っていかなければいけないなと思っていますね。

 こばやし・ごう 1976年2月12日、東京都生まれ。麻将連合プロ。第1、2期天鳳名人位。第3、7、9期将王。第3回野口賞。RTDリーグ2018優勝。MリーグではU―NEXT Piratesにドラフト1巡目で指名され、2019シーズンで優勝。ツキや流れなどの曖昧な理論を嫌う“麻雀サイボーグ”として、その実力を認められているトッププロ。