開幕して2か月が経過したプロ麻雀リーグ「Mリーグ」2019シーズンは大混戦。選手として参加中のモデル兼プロ雀士・岡田紗佳のリポートと、プロの選択をクイズ形式にした「あなたなら何を切る?」を、先週の結果とともにお届けします。

【人気モデル・岡田紗佳のもう一度見たいMリーグ】KADOKAWAサクラナイツの岡田紗佳です。今週はいつもとは趣向を変えて、2局連続で取り上げたいと思います。先週のMMM(もう一度見たい麻雀Mリーグ)は、サクラナイツのチームメート、沢崎プロが2局続けて頭ハネでアガったシーンです。

 まず東2局、沢崎プロは早々に七対子5索待ちで聴牌(テンパイ)、ヤミテンに構えます。すぐ瀬戸熊プロからピンフドラ赤、258筒待ちの勝負手リーチが入りました。沢崎プロは1枚切れの南、当たり牌の赤5筒と待ち変えをしながら、ヤミテンを続行します。

 すると聴牌した親の白鳥プロからリーチ宣言牌5筒が打ち出されて、沢崎プロ、瀬戸熊プロの2人からロンの声。ただMリーグはダブロンを採用してなく、放銃した人から見て上家に近い沢崎プロのアガリ、いわゆる頭ハネとなりました。沢崎プロがリーチしていれば、白鳥プロが5筒を切らずに回った可能性も十分にあるので、ヤミテンが秀逸でした。

 続く東3局、親の沢崎プロが切った5筒を、瀬戸熊プロがチーします。動いたのが普段めったに鳴かない瀬戸熊プロであること、さらにドラ8萬を切ってから東のトイツ落としをしたことから、かなりの危険信号です。聴牌か、よほど形のいい一向聴で、高め満貫くらいありそうなイメージですね。実際に36萬待ちの高め3900の聴牌でした。

 危険を察知した沢崎プロはリャンメン2つの一向聴でしたが、ここから頭の北を落とします。できるだけ安全な牌を切りつつ回り、3萬を2枚使ったカン3萬待ちで聴牌。今度は聴牌した茅森プロのリーチ宣言牌3萬に、2人からロンの声が出ました。またもや頭ハネで沢崎プロのアガリとなりました。

 2局続けて、さらに同じ人たちの間で頭ハネが発生するのは本当に珍しいです。2回もアガリを逃した瀬戸熊プロの頬の筋肉がピクピクして悔しそうなのが印象的でした。

 現在、個人ランキングトップの沢崎プロは攻め型なんですけど、攻めだけではなく繊細な押し引きがあります。この2局ともそれがよく出ていました。長い麻雀プロ人生で得た経験からの感覚は、チームメートの立場から見ていてもすごいのひと言です。沢崎プロの強さが分かる対局でもありますし、何より面白い対局でした。

☆おかだ・さやか=1994年2月19日生まれ。東京都出身。モデルやグラビア、バラエティー番組などで活躍。漫画原作も手がける。日中ハーフで、6歳のころから麻雀に親しみ、2017年4月に日本プロ麻雀連盟所属女流プロ雀士となった。「KADOKAWAサクラナイツ」から指名を受け、今シーズンからMリーグに参戦。青山学院大学出身。T170・B85・W58・H83。“役満ボディー”の異名を持つ。