おいしく進化中! インスタント麺ガイド

 注目の新商品についてはもちろん、昨今のトレンドやちょっとした雑学も仕入れられる月イチ企画。テレビなどでも活躍する愛好家の大山即席斎氏が、進化するインスタント麺を紹介します。意外なアレンジ術もお見逃しなく。

 マルちゃん「冷しスタミナ肉そぼろそば」

 もうそろそろセミが鳴きだしそうな季節なので夏向けの涼しげな商品も紹介しておきたい。

 夏の冷たいインスタント麺といえば以前は冷やし中華一択だったが、近年はそばやうどんの冷やしも毎年定期的に登場するようになった。

 この商品は、2019年に登場した「冷しぶっかけたぬきそば」をルーツとする「赤いきつね」シリーズの夏向け冷やし商品だ。冷水で洗って作るゆるやかにちぢれたグレーっぽい色をした麺は、コシ感があって舌ざわりもなめらかな日本そばらしいやさしい食感になっている。冷やしなのにゴワゴワ感がないのが素晴らしい。

 そこに液体つゆをかける。ラー油の辛みが出たつゆは、冷やし麺に合うようにほんのり甘みもあるスッキリ爽やかな味。かやくは鶏ひき肉とネギ。姉妹品に「冷しぶっかけ肉うどん」がある。

 日清「日清のどん兵衛 きつね焼うどん」
 日清「日清のどん兵衛 きつね焼うどん」
日清「日清のどん兵衛 きつね焼うどん」

 インスタント麺のトレンドとして、夏は熱い汁をすするのがしんどくなるため、「冷やし」ではない汁なし麺もこのところ人気が高まっており、多数の商品がスーパーやコンビニの店頭に並んでいる。

 こちらの商品、名称は「どん兵衛」だけど、カップの形状は「UFO」タイプで、麺を湯切りをして作るようになっている。

 麺はどん兵衛らしく手もみ風によれた長方形断面の幅広平打ちで、ぬめり感のあるモチモチ食感。そこに魚粉と七味唐辛子入り粉末だしと液体つゆをかけて絡めると、かつおなどの魚介だし感が濃厚な甘口醤油味となる。

 かやくは刻んだ油揚げとネギ。だしが絡んだお揚げもウマい。

 小山製麺「ぺろっこらーめん 醤油味」
 小山製麺「ぺろっこらーめん 醤油味」
小山製麺「ぺろっこらーめん 醤油味」

 最近テレビの地方グルメ特集でよく見るようになったのが、ひもかわうどんだ。前回取り上げたビャンビャン麺などもそうだったが、幅広が最近じわじわとキテいる。

 そんな幅広麺好きのために今回取り上げるのは岩手・小山製麺のぺろっこらーめん。

 液体スープで作るつゆは、ポーク・いわし・かつお・しいたけの旨みがバランスした、濃さこってり度とも中庸でまろやかな醤油味。麺はドライ時は幅約22ミリ×長さ約200ミリの平打ちで、4分間ゆでると幅約35ミリ×長さ約280ミリまで広がり、見た目はまさに「ひもかわうどん」のよう。

 しかし、うどんではなく中華麺。幅が広いため麺の味をしっかりと味わうことができる。舌ざわりなめらかで、厚めの餃子の皮に近いかみごたえがある。すすったときに麺が上顎を刺激するのが快感だ。

 ちなみに小山製麺では同じ幅広麺のビャンビャン麺も出している。

【今月のアレンジ術=カップ焼そばとカレーメシでそばめし】

 フライパンで混ぜ合わせるだけ!
フライパンで混ぜ合わせるだけ!

 皆さんは「そばめし」をご存じだろうか。神戸発祥と言われていて一時はやりかけたこともあったが、大きなブームとはなってこそいないものの地道に存在し続けている食べ方だ。

「炭水化物&炭水化物」というのは関西にお好み焼き定食という例があって、それを関東人がやゆしたりすることもあるが、東京発祥の半チャンラーメンなんていうのもあるからお互いさまだし、全国区の焼そばパンというのもあるから「炭水化物&炭水化物」は確固たる人気があるのだとわかる。

 その「炭水化物&炭水化物」をカップ麺で作ってみたい。使うのは日清焼そばUFOとカレーメシ。作り方はUFOとカレーメシをそれぞれ普通に作り、フライパンの上で加熱しながら混ぜ合わせるだけだ。これでカレー味のそばめしの出来上がりだ。

 UFOのソースがカレー味にミックスされて関西風のカレー味に仕上がった。炒め時間を長くすればドライカレー風に仕立てることもできる。

 ☆おおやま・そくせきさい インスタント麺愛好家。カップ麺、袋麺、ラーメン、焼そば、うどん、そば、まぜそばから海外製品まで、年間600食の即席麺を食べる。1995年、「TVチャンピオン インスタント麺通選手権」優勝。「マツコの知らない世界」出演。ツイッターは【@Sokusekisai】。