【肉アカデミー】豪徳寺「オールド・ネパール・トウキョウ」まだ知らない世界があると実感できる店

2021年04月18日 10時00分

【写真上】水牛のカレー【同下】水牛と小魚のだしの煮こごり(左)と鴨のチョエラ

【田辺晋太郎の肉アカデミー】 Nice to MEAT you! 1年半前から名店揃いだと言っている小田急線沿線に、またいい店ができていました!

 今回ご紹介するのは、豪徳寺駅からすぐにあるネパール料理店「オールド・ネパール・トウキョウ」。大阪の有名ネパール料理店「ダルバート食堂」の姉妹店です。開店は昨年7月。元が大阪の人気店だけに前評判は高く、コロナ禍をものともせずに、あっという間に人気店になりました。

 カレー通の方から「ダルバート」というネパール式のカレーの定食がいいこと、そして「ディナーコースこそ真骨頂」と聞き、まずランチを食べに行きました。ランチだけでも「こんなアナザーワールドがあるんだ!」と思い、これはディナーも行かなきゃと、改めてまた食べに行ったのです。

 私が行った時のテーマは、ネパールのネワール族の料理でした。ネワール族の食文化の特徴は水牛を余すところなく使うこと。日本じゃ水牛の肉なんてあまり食べませんから、味のイメージが湧かないし、そもそも日本にいるの?と思われるでしょう。実は日本でも数軒の農家が飼育していて、このお店は北海道から仕入れています。

 水牛は最初は煮こごりで出てきます。水牛と小魚のだしから作った煮こごりに、金柑のアチャール、グリーンチリのアチャールが添えられています。アチャールとは口直し的な野菜料理です。

 美しい野菜の料理などがあって、メインで出てきたのが「鴨のチョエラ」。チョエラとは「藁焼きした肉をスパイスでマリネした料理」だそうですが、こちらでは藁と炭で燻って焦げ目と香りをつけ、その上で真空低温調理し、仕上げにスパイスをかけてあぶるんです。

 これにはぶっ飛びました。え!こんな料理も出てくるの!と。ネパール料理が日本のシェフのセンスによって、オリジナルなかつ高い次元の料理に昇華しているんですよ。

 そして最後にカレーです。ダル(豆)のスープをバート(ごはん)にかけ、水牛のカレーとアチャールを足していきます。混ぜ方はあなた次第、足し方によって味が変わり、それぞれのダルバートが出来上がるんです。

 いろんなお店で食べてきましたが、この年でこんなワクワクする食事を経験できるとは思いませんでした。まだ知らない世界がある、そんなことを実感できたお店です。

 ☆たなべ・しんたろう 1978年生まれ。東京都出身。2001年に「Changin’ My Life」でデビュー。03年に解散後は作曲家としてAKB48在籍時の渡辺麻友などに楽曲を提供。監修した「焼肉の教科書」シリーズは累計35万部を突破。最新著作「焼肉のすべて」が発売中。両親は歌手の田辺靖雄と九重佑三子。BS朝日「美女と焼肉」にレギュラー出演。

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