【香港国際競走総括】日本馬3頭が制覇 凱旋門賞との逆転現象が示す土俵選びの大切さ

2019年12月12日 21時31分

ウインブライト&松岡コンビの優勝は特に盛り上がった

 アーモンドアイが直前に香港カップ出走回避を表明、そこから日本馬には“楽な戦いにはならない”ムードが立ち込めた。それでも今回の香港国際競走はJRAマイルGI連勝のインディチャンプや英GI勝ちのディアドラなど、多彩なキャラが参戦して盛り上げてくれた。結果は2001年以来となる日本馬3頭の優勝…しかし、これは多くの関係者やファンの期待、さらに取材者の思惑をいい意味で裏切るものだった。

 凱旋門賞が行われるタフなロンシャン競馬場に比べ、シャティンのそれがいかに日本馬向き(軽い芝とほぼ平坦の形状)であったか。両レースを現地取材した身として改めて痛感させられた。

 天皇賞・春のフィエールマンが凱旋門賞で最下位に沈んだのに対し、クビ差2着のグローリーヴェイズが香港ヴァーズをV。尾関調教師は遠征を決めた理由を「芝(質)を含めたコース適性」と説明したが、日本馬のレベルはすでに世界クラスとすると、結果を左右するのは“適性によるレース選択の巧拙”ということか。ヴァーズには欧州、いや世界のトップに君臨するオブライエンキュウ舎の英ダービー馬アンソニーヴァンダイクと素質馬マウントエベレストが出走し、いずれも惨敗(12着&14着)。凱旋門賞からの逆転現象は“土俵選び”の大切さを表している。

 そんな中で、個人的に最も心を動かされたのはウインブライトと松岡のコンビによる香港カップの優勝だった。ここ2戦凡走していた馬は前記のコース適性(春の同舞台・クイーンエリザベスII世C優勝)を炸裂させたわけだが、現地の日本人ファンの声援も“3勝”の中でも圧倒的。この日唯一の日本人騎手&日本馬ペアという立場は、やはり特別で、国際レースでは人馬がJRA所属というエッセンスが想像以上に強烈だと感じた。

 今回の4レースの売り上げは30億円超。アーモンドアイ不在を考えるとまずは成功の部類だろう。今年、ジャパンカップが39回目にして初めて外国馬が不参加だったのに対し、日本馬がGIを3勝。こんな国内では味わえない“高密度”のシリーズを見せつけられては、日本でのカーニバル開催(同日複数GI施行)を望まずにはいられない。