10日英アスコット・開幕直前シャーガーC菜七子の決意 「何か学んで帰りたい」「いい競馬して応えたい」

2019年08月09日 16時30分

皇家近衛兵博物館で川田将雅(左)らとともに記念撮影を行った菜七子(左から2人目=撮影・平松さとし)

 世界の一流ジョッキーが4チームに分かれて腕を競うシャーガーカップが10日、英アスコット競馬場で行われる。日本からは9日に22歳の誕生日を迎えた藤田菜七子(美浦=根本)が日本の女性騎手として史上初めて出場する。6月にスウェーデンの「ウィメンジョッキーズワールドカップ」で優勝し、その実力が認められての参戦となるが、再び菜七子がその腕で世界を驚かせることができるのか? その意気込みを競馬の発祥の地、イギリスで語った。

☆シャーガーカップ出場予定騎手
 世界選抜=※川田将雅(日本=33)C・ホー(香港=29)M・ザーラ(オーストラリア=37)
 ヨーロッパ選抜=※F・ミナリク(チェコ=44)G・モッセ(フランス=52)A・デフリース(オランダ=50)
 イギリス・アイルランド選抜=※T・オシェア(アイルランド=37)D・タドホープ(イギリス=33)J・スペンサー(アイルランド=39)
 女性騎手選抜=※H・ターナー(イギリス=36)J・カー(オーストラリア=23)藤田菜七子(日本=22)
 ※はチームキャプテン、カッコ内は国籍、年齢 

 シャーガーCは1999年に創設された世界のトップジョッキー12人によって競われるチーム対抗戦で、世界選抜、イギリス・アイルランド選抜、ヨーロッパ選抜、女性騎手選抜の4チームによる対抗戦となっている。計6レース(すべてハンデ戦で、1人の騎手が5レースずつ騎乗)が行われ、個人別の集計でポイント合計1位の騎手にはシルバーサドル賞が与えられる。これまでマイケル・キネーン、ライアン・ムーア、オリビエ・ペリエなど日本でも有名なジョッキーが受賞、昨年は女性騎手のヘイリー・ターナーが優勝を飾っている。また日本からは武豊や蛯名正義、横山典弘などの一流ジョッキーが参加していて、競馬界の五輪とも言えるメジャーな大会だ。

 そのプレスカンファレンスが8日、ロンドン市内で行われた。今年は川田将雅(世界選抜)、菜七子(女性選抜)の日本人騎手が参加。プレスカンファレンスにはその2人の他にオーストラリアのM・ザーラとJ・カー、香港のC・ホーの計5人が臨んだ。観光客用の三輪車で、トラファルガー広場などを巡りながら記念撮影をした後、共同会見が行われた。

 菜七子にとって2016年に行われた「レディースワールドチャンピオンシップ」以来のイギリス遠征で、当時は騎乗予定馬がパドックで暴れて取り消しとなり無念の結果に終わっている。

「違う形ですが、こうしてイギリスに戻ってこられてすごくうれしいです。ヘイリー・ターナー騎手やジェイミー・カー騎手といった大活躍されている女性騎手と一緒に乗れるのは楽しみだし、何か学んで帰りたいと思います。何より権威ある大会に招待していただき、アスコット競馬場で乗れることを感謝しています。いい競馬をして応えたいです」と大会へ向け、抱負を語った。

 すでに世界に名の通っている女王NANAKOに対し、現地イギリスでも相当な注目度の高さだ。レーシングポスト電子版にはウィメンジョッキーズワールドカップ優勝写真とともに紹介。“日本でセンセーショナルな騎乗を見せているNANAKOが参加する”との見出しで特集が組まれたほどだ。

 渡英直前には「アスコットの門を外から見た時、“いつかここで乗りたい”と強く思っていました。チャンスをいただけてとてもうれしいです」と語った菜七子。日本でリーディングジョッキー獲得もなければ、見習いの立場で世界最高峰に招待されたのは、競馬の発祥の地でもあるイギリスでその実力が評価されてのこと。10日に行われる一流ジョッキーとの戦いに早くも世界が注目する。

【レース終了後は1万キロの大移動】シャーガーC後は12日の交流GⅢクラスターC(ダ1200メートル)騎乗のため、イギリスから盛岡へ約1万キロの大移動を行う菜七子。同レースには1番人気候補のコパノキッキングとのコンビで挑む。JRA女性騎手として初めてとなる重賞制覇への期待がかかっており、イギリスだけでなく、盛岡でも菜七子フィーバーが巻き起こりそうだ。