大金星ディアドラ英GIナッソーS制覇の重み ディープの喪失感に沈む日本競馬界に光

2019年08月02日 12時00分

 1日に英国グッドウッド競馬場で行われたGⅠナッソーS(芝1980メートル=3歳上牝馬限定)でディアドラ(牝5・橋田)が日本調教牝馬としては初となる英GⅠ制覇を達成した。7月30日に頸椎骨折でディープインパクトが急死し、その死に対しいまだ喪失感が漂う中、世界に日本競馬健在を高らかにアピールした。

 気温22度ながら無風で汗ばむ陽気の下、世界から強豪牝馬9頭が参戦。今年の愛1000ギニー勝ちのハモーサや、仏オークス勝ち馬チャンネルなどが顔を揃える中、ディアドラは7番人気と低い評価だった。しかし、前評判を覆すようにレースでは好スタートを切り、道中は抜群の手応えで後方3番手を追走した。直線を向くと初コンビとなるO・マーフィーの気合ムチに応え、インを強襲。最後はL・デットーリ騎乗のメダーイーに1馬身1/4差をつけての快勝劇となった。良馬場とはいえ、勝ち時計2分02秒93は同競馬場では異例の好タイムで、日本競馬の底力を世界に見せつけるVとなった。

 3月のドバイから続いた海外長期遠征4戦目での勝利に橋田調教師は「騎手が作戦通りに乗ってくれました。長い上り坂のあるコースで勝ったことは日本馬にとって意義があると思います」とディープなき日本競馬界にとって価値ある勝利をアピールした。

 また今年1月にはコパノキッキングとのコンビで根岸Sを勝利するなど日本でもその名を知られるO・マーフィーは「最後までよく伸びてくれました。日本馬はやっぱり強いですね。(自身が)日本へ行って、日本から来た馬と素晴らしい時間を共有できたのは非常にうれしい」と笑顔をはじけさせた。

 なお、注目の今後については未定ながらオーナーの森田藤治氏は「このまま英国に残る公算が大きい」と海外遠征を続ける可能性を示唆した。次走は愛チャンピオンS(9月14日)か、カナディアンインターナショナルS(10月12日)へ、その後はウルトラCとしてジャパンCへの凱旋帰国の可能性もある。

【アグネスワールド以来】日本調教馬による英国でのGⅠ制覇は、2000年のジュライCをアグネスワールドが制して以来2頭目で、牝馬としては初の快挙となった。これまで日本の牝馬では表の通り、6頭が海外でGⅠ制覇を飾っている。ちなみにディアドラは今春のUAE(ドバイターフ4着)から香港(クイーンエリザベスⅡ世C6着)、欧州(英プリンスオブウェールズS6着)と続いた海外長期遠征の4戦目で待望の海外GⅠ初制覇となった。なお、優勝賞金は34万260ポンド(約4473万円)。