【海外競馬】エネイブル“包囲網”を打ち破りキングジョージV 着差は「クビ」でもデータは圧倒的

2019年08月01日 21時30分

【TPC秋山響の海外競馬解析】7月27日に英国・アスコット競馬場で行われたGIキングジョージVI世&クイーンエリザベスS(芝2390メートル)。着差はわずかにクビ差ではあったが、エネイブル(牝5)と鞍上L・デットーリの強さ、素晴らしさが際立った。

 大外11番ゲートからスタートしたエネイブルは序盤でいつものように先行する構えを見せる。しかし、この必勝パターンを崩しにきたのが4頭出しで臨んだクールモア=A・オブライエン勢。英ダービー馬でエース格のアンソニーヴァンダイクを除いた3頭が積極的に前に行き、ハイペースを生み出すとともに、エネイブルを内に入れさせない形をつくったのだ。エネイブルにとっては苦しいレース展開になったことは間違いない。

 ただ、そこからのデットーリの判断が素晴らしかった。先行策をスパッと諦め、後方待機策を選択。じっくりと末脚をためると、4コーナーの少し手前から、相手をGIプリンスオブウェールズSの勝ち馬で2番人気のクリスタルオーシャンだけに絞るような形で進出を開始。最後は400メートル近く続いた叩き合いを制した。

 デットーリの状況判断の的確さと、その指示にすぐさま応えるエネイブルの自在性の高さ。改めてこのコンビのストロングポイントを感じさせるレースだった。

 ちなみに、アスコット競馬場で各馬のラップタイムを含む各種情報を提供するロンジンによると、エネイブルが今回のレースで実際に走った距離は2419・8メートルでメンバー中最長(2着のクリスタルオーシャンは2417・9メートル)。データからも、外々を回らされたことによる距離損を克服しての勝利だったことが分かる。