【ジョッキーズ女子W杯】藤田菜七子 実力でもぎ取った「世界一の称号」

2019年07月01日 21時34分

優勝カップを手に笑顔の菜七子(撮影・平松さとし)

 菜七子が快挙達成だ。30日にスウェーデンのブローパーク競馬場で開催された国際女性騎手招待競走「ウィメンジョッキーズワールドカップ」に日本代表として出場した藤田菜七子(21)が、海外初勝利&最終レースでのミラクルVで逆転総合優勝を飾った(5戦2勝2着1回)。世界各国から選ばれた10人の女性騎手が参加したW杯で、“世界一の女性騎手”の称号を手にした。

 世界中から選ばれた10人の女性騎手が5つのレースに騎乗し、着順に応じたポイントで優勝を競ったこのW杯。初戦は6着に敗れたが、第2戦の芝1400メートル戦でフランシスクス(2番人気)に騎乗した菜七子は、スタートで後手に回りながらも慌てることなく徐々に進出。最後の直線では冷静に外から差し切った。

「海外で初めて勝ててうれしいです」

 64キロの斤量を背負いながらも海外初勝利となった菜七子はレース後に笑顔をはじけさせた。

 その後、第3戦で5着、4戦目で2着となり、トップとは3ポイント差で迎えた最終第5戦。芝2100メートルのこのレースでコンビを組んだ3番人気のチルターンズを道中2番手に誘導。ラスト200メートル手前から抜け出し先頭に立つと渾身の騎乗でそのままゴールまで押し切った。海外2勝目、そして逆転でのミラクル総合優勝を決めた。

「最終戦は勝てば総合優勝だと分かっていたので、本当にうれしいです」

 快挙達成後にこう語った菜七子だが、決して騎乗馬に恵まれた勝利ではなかった。騎乗する5頭はそれぞれABCの3つのランクに分けられ、各騎手がAランクに1頭、B、Cランクにそれぞれ2頭騎乗するよう平等に振り分けられた。運ではなく、実力でもぎ取った世界一の称号だった。

 レース前日には自ら馬場を歩いて1周。「コーナーが大きいので、あまり外を回るのはよくない」と判断し、レースではなるべくインに徹する乗り方を実践した。初勝利を挙げたレースも最後は外に出して差し切ったものの、コーナーではインを突き、直線に向いてからも馬群の中へ入れる道を選択。外にスペースがあるとみるや、冷静に外へ出し差し切った。こういった戦術面や、スキル面も生かしての総合優勝だった。

「日本でもたくさん乗せていただけているので、そういったみなさんに少しでも成長した姿を見せられたなら良かったです。でも、まだまだ未熟なので今回の経験を生かしてまた日本で精一杯頑張ります」

 北欧でひと回り大きく成長した菜七子の帰国後の活躍に注目だ。(平松さとし)

【ウィメンジョッキーズワールドカップ】女性騎手の国際的な活躍の場を広げることが目的で作られ、前身の「レディージョッキーズサラブレッドワールドチャンピオンシップ」をリニューアルして今年から開催。世界各国10人の女性騎手が5レースに騎乗し、ポイントを競う。日本のワールドオールスタージョッキーズと同じ仕組みとなっている。