【米GIベルモントS】サーウィンストン優勝 リスク恐れない鞍上ロザリオの豪胆

2019年06月13日 21時30分

優勝したロザリオ=サーウィンストン(ロイター=USA TODAY Sports)

【TPC秋山響の海外競馬解析】8日に米国・ニューヨーク州のベルモントパーク競馬場で行われた米3冠最終戦、GIベルモントS(ダート12ハロン)はサーウィンストン(牡=父オーサムアゲイン、キャシー厩舎)がGIケンタッキーダービー3着のタシトゥスに1馬身差をつけて優勝。日本調教馬初の勝利を目指したマスターフェンサーは残念ながら5着に終わった。

 印象的だったのは勝ち馬の鞍上、J・ロザリオの騎乗ぶりだ。外めの枠(7番ゲート)からのスタートだったが、スタート後すぐに最内のポジション(マスターフェンサーのすぐ前)を確保すると、勝負どころの3角からは通常ではなかなか通らない、内ラチ沿いに1頭分だけ空いた狭いスペースを迷わず突いて、するするポジションを上げていった。

 内ラチ沿いをピッタリ回ることは、前で何かあったときに避けようがなく、致命的な不利を受けたり、落馬したりする危険と背中合わせだが、そのリスクを恐れず、とにかく最短距離を走らせるという断固たる意思を感じさせる騎乗ぶり。結果的には、この豪胆な姿勢が勝利を呼び込んだように思う。

 マスターフェンサーもよく頑張った。何もかもスムーズだった勝ち馬とは対照的に、4角では大外を回らざるを得ない形になり(内の進路は、すべて埋まっており、そこには突っ込めなかった)、最後の直線では手前を替えていなかったように見えたが、それでも最後は差を詰めてきた(ラスト2ハロンは、またしてもメンバー中最速の25秒05)。

 持てる力は勝ち馬とあまり差のないものがあると思うが、追い込み馬の宿命というべきか、機動力や器用さで今回のところは勝ち馬に軍配が上がったということだろう。今後この経験を持って、どういった走りを見せてくれるのか。今後の競走生活が楽しみだ。