【フェブラリーS・後記】悲願のJRA・GI制覇ノンコノユメ 次は芝GI挑戦も

2018年02月19日 21時33分

右手を上げて勝利をアピールする内田博=ノンコノユメ

 18日、東京競馬場で行われた今年のJRA・GⅠ開幕戦、第35回フェブラリーS(ダート1600メートル)は内田博騎乗の4番人気ノンコノユメ(セン6・加藤征)が直線で怒とうの追い込みを決めて優勝。初のJRA・GIタイトルを手中にした。去勢後の不振からようやく脱してつかんだ夢――。その軌跡と今後のさらなる大きな夢を追う。

 4角をゴールドドリーム、サンライズノヴァの直後で回ったノンコノユメと内田博のコンビは、迷わず馬群の大外で追撃態勢に入った。

「直線で外に出せば必ず伸びる」――。加藤征調教師はかねて何度も言い続けてきたが、かつて主戦だったルメール、一昨年のチャンピオンズC(6着)のムーア、昨年同レース(9着)のC・デムーロと世界を股に掛ける名手でさえ、これを実行できなかった。騎手心理としてロスのないインを通りたくなるのは理解できる。だが“日本人”内田博は砂をかぶることを極度に嫌がる同馬にとってアダとなっていた戦術を封印。前走のGIII「根岸S」に続く外差しで栄冠を射止めた。これで同馬は、史上初となる東京のダート重賞(ユニコーンS、武蔵野S、根岸S、フェブラリーS)の完全制覇も達成した。

「外に出せば必ず伸びるから、道中は馬のリズムを保ってあまり砂をかぶせたくない気持ちで乗った。さらさらした馬場で追い込み馬には難しいと思ったし、ゴールドドリームに直線で少しリードされたけど、並んだ時には勝てるかと思った。最後は根性」と内田博。自身もヴィルシーナで制した2014年ヴィクトリアマイル以来のJRA・GI勝ちに頬を緩ませた。

 加藤征調教師にとっても長い道のりだった。これまでシャドウゲイトでシンガポール航空国際C(07年)、ノンコノユメでジャパンダートダービー(15年)と、国際および交流GI勝ちはあるものの、JRA・GIは2着が4回。ノンコノユメの去勢後の不振でネット上などの批判も耳にしていたと言うが、「昔の体調に戻ったのが一番(の勝因)。昨年の夏場を休養に充て、以前は右の股関節に持病を抱えながら使っていたのが治まり、調教でしっかり負荷をかけられるようになったからね」。去勢による馬っ気の改善と同時に、体質強化を勝因に挙げた。

 気になる今後について同師は「セン馬なので海外のレースを使うことで種牡馬価値を上げるような必要はない」と登録のあるドバイ遠征参戦には否定的だが、この日の勝利で米GIブリーダーズCクラシック(11月3日=チャーチルダウンズ競馬場・ダート2000メートル)の優先出走権を得たことに関して「興味深いですね。行ってみたい気持ちはある」。

 また、オーナーの山田和正氏が芝を使う可能性に言及したことに加え、同師は「ダートで(上がり3ハロン)34秒台の脚が使える馬。芝で33秒台が使えても全く不思議はない」と戦前語っており、大阪杯(4月1日=阪神芝内2000メートル)や安田記念(6月3日=東京芝1600メートル)といった芝GI挑戦の可能性も残されている。

 完全復活を果たしたノンコの“夢の続き”はカテゴリーと国境を超えて大きく広がるばかりだ。