地方競馬界に新風を巻き起こす笹川翼、石川倭騎手を直撃

2016年01月02日 09時00分

次代のエースを見据える笹川翼(左)と石川倭の同期2人

【91期スーパー対談】地方競馬界に新風を巻き起こしている大井の笹川翼騎手、ホッカイドウ競馬の石川倭騎手にスポットライトを当てた! 2人は2年間の厳しい訓練に耐え抜いた地方競馬教養センターの第91期騎手養成課程の同期であり、それぞれがNARグランプリ優秀新人騎手賞(2013、14年)を受賞している注目の若手ジョッキー。激戦区でトップテン入りを果たした15年を振り返り、競馬観やプライベート、デビュー4年目を迎える16年への抱負などを語ってもらった。

 ――地方競馬教養センター当時のお互いの印象は

 笹川:倭は天才肌。お互いにいい存在でした。

 石川:皆も訓練の中で自分に負荷をかけていたけれど、翼は抜けて努力していましたね。

 ――現在は

 笹川:運も含めてダービーを勝っているし、重賞を勝てる勝負強さがある。自分にない冷静さがありますね。

 石川:体の使い方がうまいと思う。見るたび見るたびに成長している感じがあります。

 ――15年を振り返って

 笹川:とりあえず、ケガなくこられたのが良かった。年初から1か月8勝ペースで年間100勝する計算をずっと意識してきたけど、自分が達成できると思っていなかったので本当にありがたい。眠いし、疲れるし、体的につらいこともあったけど、弱音を吐かずにやってきて体力がついたし、精神的に強くなった。最近は攻め馬を減らしてもらって楽になった分、競馬に集中できるようになったから調子がいいのかもしれません。こんなに早く通算200勝を達成できるとも思わなかったですから。

 石川:前年の勝ち鞍を上回る目標を毎年立てていて達成できたけど、前半はリーディング争いをさせてもらったのにケガで約2週間レースを離れたのが大きかった。その後に勝てない時期が長くてモチベーションを保てなかったから、もったいなかったです。

 ――過去2年と比べて自分自身の変化は

 笹川:いろいろな調教師さんとコミュニケーションが取れるようになりました。

 石川:硬くなったし、前のほうが体を使えた感じがします。レース感覚は上向いているけど、全体的にもっと調教をうまくなりたいし、2歳とか自分がつくった馬で結果を出したい。

 ――記憶に残るレースは

 笹川:ハイセイコー記念ですね。説明するのが難しいけど、レース中に突っ張るべきか下げるべきか、冷静な判断ができなくて経験の差が出た感じ。いろいろな展開が頭に浮かんで、結果(0秒2差2着)として悔いが残った。あそこで勝てなかったから、勝島王冠で重賞初制覇ができたんじゃないかと思うぐらい考えさせられましたね。

 石川:北海優駿は1番人気馬(オヤコダカ)が落馬したから素直に喜べないけど、ダービーを勝ったネームバリューは大きい。確実に入着を取るレースもできたけど、自分のレースはしようと思っていたのでハナに行って勝負に出た。やはり自厩舎で勝てたのがうれしかったし、少しでも先生に恩返しできたかな。

 ――騎乗技術についてのアドバイスは

 笹川:聞くポイントが以前より細かくなりました。米田先生は馬を御すのがうまいし、落ち着かせられる。すごく参考になります。

 石川:デビュー年に比べたら自分から聞かないと教えてくれなくなったかな(笑い)。仕掛けやポジションについて、米川(昇)先生や
原先生の考えを聞くことが多いですね。

 ――自分のセールスポイントは

 笹川:基本的に馬をやめさせない、遊ばせないように心がけています。自分は手応えを感じたいタイプ。他の人と比較して、乗り替わりでいい結果が出てる気がする。もちろん、その逆もありますけど…。

 石川:手首が柔らかいと言われるけど、周りが上手なのでセールスポイントはないですね。

 ――JRA、他地区のレースは

 笹川:気になるレースがあれば見るし、特に乗り方を見ますね。M・デムーロやルメールはうまいけど、モレイラが好き。派手さはないけど、騎座が半端じゃなく強い。衝撃を受けました。

 石川:南関東、園田が多い。森(泰斗)さんはそつなく乗るし、進路は参考にします。馬の癖を知っていればいろいろ納得できるけど、勝手に想像しながら見ています。

 ――石川は16年1月22日まで南関東で騎乗

 石川:期間限定初騎乗(V)の時のパドックは今までで一番緊張しました。返し馬に行ったらなくなったけど、自分で変にプレッシャーをかけてしまった(笑い)。大井は頭数が多くて密集するから難しい。期間中に10勝できればいいんですけど…。

 ――攻め馬は

 笹川:8~9頭。14頭していた時とは全然違って、1頭にじっくり時間をかけられるのがいい。

 石川:ホッカイドウ競馬はフルで10頭ぐらい。厩舎まで行くから坂路は時間がかかる。午前3時から遅くて11時。1頭につき45分ぐらいですね。

 ――休日の過ごし方

 笹川:誘われたら出かけるぐらい。お酒を飲むのは好きですね。

 石川:休み前は絶対に飲みに出かけています。

 ――最後に16年の目標または注目馬を

 笹川:ハードルはかなり上がるけど、少なくとも前年の勝ち鞍は超えたい。リーディングはまだ意識していないけど、1つ上の人は抜きたい気持ちは常にあります。注目の馬はグランユニヴェール。攻め馬から乗っているので、しっかり考えたい。言い訳が利かないので何とかタイトルを取らないといけないし、取れると思う。ムサシキングオーも力をつけている。左回りがどう出るかですけど、乗りやすいからたぶん大丈夫だし、器用なタイプだから小回りのほうがいい。もう1つ重賞を勝ちたいですね。

 石川:自厩舎の馬で重賞を勝つのが一番かな。リーディングは取りたいけど、結果的に取れれば…。注目馬はラッキーバトル(ブロッサムCを含む7戦4勝)。まだ真剣に走っていないから、上積みが大きいと思う。

☆いしかわ・やまと=1995年4月10日生まれ、富山県出身。血液型=B。北海道・米川昇厩舎所属。2013年4月24日に門別競馬場で初騎乗、同5月3日に初勝利。2年目に57勝をマークして北海道リーディング5位に入り、NARグランプリ2014優秀新人騎手賞を受賞。

☆ささがわ・つばさ=1994年7月17日生まれ、新潟県出身。血液型=A。大井・米田英世厩舎所属。2013年4月7日に大井競馬場で初騎乗、同9日に初勝利を飾り、デビュー年に43勝をマーク。NARグランプリ2013優秀新人騎手賞、14年の日本プロスポーツ大賞新人賞を受賞。