【共同通信杯】キャリア2戦目で制覇リアルスティールの計り知れない可能性

2015年02月16日 20時00分

満面の笑みで検量室に引き揚げてきた福永=リアルスティールと出迎える矢作調教師(右)

 15日、東京競馬場で行われたクラシックの登竜門・GIII共同通信杯(芝1800メートル)を制したのはリアルスティール(牡3・矢作)。断然人気のドゥラメンテを半馬身差で封じ、クラシックの最有力候補に名乗りを上げた。キャリア1戦でこのレースを制した馬はこれまで皆無。陣営が「まだ完成度は六、七分」と語る“超逸材”の可能性は計り知れない。

 これがキャリア2戦目の若駒のパフォーマンスなのだろうか――。昨年は後の皐月賞馬イスラボニータが優勝した共同通信杯から今年もまたスター候補が誕生した。

「スタート直後に内ラチを見て外に逃げて迷惑をかけてしまった」(福永)

 新馬戦勝ち直後の重賞挑戦。管理する矢作調教師さえ「期待もあったが不安もあった」と息をのんで見守った一戦だが、リアルスティールが若さを見せたのはわずかにその瞬間だけだった。

「ペースは速くならないだろうと思ったし、いいポジションが取れた。4角まではイメージ通り」と福永が振り返った通り、道中は好位のインでピタリと折り合う。「相手も違うし、新馬戦ほどスッと動けなかった」と直線は馬混みをさばくのに手間を要したが、圧巻だったのは前が開けてから。先頭に立ったドゥラメンテに一気に並び、ゴール間際は、はじけるようにさらに半馬身突き放した。

「2着はすんなりと伸びてきたが、こちらは出るまで苦労した。それで勝つのだから能力の高さを再認識した。調教を見ていても計り知れないところがある馬ですよ」

 矢作調教師のこの弁も納得できよう。負かした2着馬は前2走で「計11馬身差V」と別格級の強さを誇った素材。さらに0秒9差のソールインパクト(6着)は、過去の重賞3戦の最大着差が0秒2(GIIホープフルS=4着)という安定株。それがまるで問題にならないのだ。世代の頂点に立ったとも言えそうだが、今回のレースがわずか2戦目。それがなにより驚嘆に値する。

「返し馬では初戦より少し芯が入ったかな、という印象。まだまだ走りに“しなり”が足りない」と福永が言えば、矢作調教師も「パドックでも鳴いていたように完成度はまだ六、七分」と有り余る伸びシロを強調する。

 ノーザンファームしがらきで放牧を挟んだ後、GIIスプリングS(3月22日=中山芝内1800メートル)→4・19GI皐月賞というのが陣営の青写真。リアルスティールが今後、「1強の道」をひた走るシーンを思い描くべきかもしれない。