【帝王賞】アンカツが見極め!充実期オメガパフュームは安全な軸馬

2020年06月24日 12時00分

充実期のオメガパフューム

【帝王賞(水曜=24日、交流GI=大井ダート2000メートル)GIはアンカツに聞け!!特別編】ネームバリューのある馬が数多く揃った時こそ、今現在の戦力を把握することが何より重要となる。上半期最大のダート決戦・第43回帝王賞(大井11R、20時05分発走)がまさにそのケース。今がピークなのか、ピークアウトした後なのか。安藤勝己元ジョッキーが各馬の実態調査に乗り出した。

 夏のグランプリ・宝塚記念のある週末を前に、週中には公営版上半期のダート王決定戦・帝王賞が行われるって…。今週は競馬ファンにとって最高の1週間やな。

 しかも今年の帝王賞はJRAのフェブラリーS以上に興味深いメンバーが揃っとるわ。昨年の最優秀ダート馬クリソベリルに、一流馬にのし上がったオメガパフューム、チュウワウィザード、復活を期す、かつての王者ルヴァンスレーヴ…。フェブラリーSで見たかった馬たちが揃って出てくるでな。

 そのうえでフェブラリーS、かしわ記念連続2着と復調気配のケイティブレイブ、フェブラリーSでは失速したものの、かしわ記念では逃げ切りを決めたワイドファラオといった顔ぶれも見える。要するに今年の帝王賞は「ダート王決定戦」と呼ぶにふさわしいメンバー構成になったわけや。これに序列をつけるんは簡単じゃないわな。

 純然たる能力や実績からすれば、ルヴァンスレーヴが筆頭なんやけどな。何せ3歳時にジャパンダートダービーだけやなく、古馬相手の南部杯、チャンピオンズCも制したほど。当時はこの馬が文句なしにダート界最強やった。

 ただなあ~問題は今現在の状態や。かしわ記念で5着に敗れたんは1年5か月ぶりの実戦やったで、仕方ない面もあるんやけど、レース内容がなあ…。逃げ切った馬の番手マークからの無抵抗の失速やろ。帝王賞までのわずかな間に、昔の状態に戻るとは考えにくいところや。もちろん、戻ってさえいれば、アッサリがあっても不思議ないんやけど…。要するに今回は期待と不安が背中合わせってこと。圧勝か惨敗か、どっちに出ても納得するしかないわな。

 現状を考えれば、オメガパフュームが「軸馬」として一番安全な気がするわ。何といっても昨年の覇者やしな。正直な話、馬っぷりが良く見えたことはないんやけど、いざ走らせてみるとすごい。昨年暮れの東京大賞典、今年始動の平安Sの勝ちっぷりからも今が充実期なんやないか。しかも大井は4戦3勝、2着1回と「庭」みたいなコースやしな。仮に勝てんかったとしても、崩れることはまずないやろ。

 同様に現状重視なら、強力な対抗馬はチュウワウィザードになるんかな。現実に昨年のJBCクラシックで叩き合いの末にオメガパフュームを破っとるわけやしな。今年初戦の川崎記念も大楽勝。これも大崩れは考えにくいわ。

 えっ、クリソベリルはどうしたって?「国内無敗」ってことで人気になるんやろね。でも俺的にはちょっと評価を下げたいと思っとる。再三言ってきたことやけど、国内無敗は相手関係に恵まれた面もあったでな。それにサウジCで7着とモロさを見せた後に、ドバイワールドCへの転戦は突如の中止でなくなってもうて…。帰国後の調整も難しかったやろし。いろいろな面で不安要素が拭い切れんわ。

 ケイティブレイブはここにきて復調してきたといっても、今回のメンバーで「頭」を取るんは厳しいやろ。ワイドファラオにしても、かしわ記念のような楽な競馬は望めんやろからな。このあたりはクリソベリルともども「押さえ」までとしておくわ。

 ちなみに地方馬はノーマーク。さすがに今回の中央馬の布陣は強力過ぎるやろ。

☆あんどう・かつみ=1960年3月28日生まれ、60歳。愛知県一宮市出身。76年に公営・笠松でデビューし、トップジョッキーとして長らく君臨。2003年にJRAに移籍すると、08年まで連続100勝以上するなどリーディングの上位で活躍。公営在籍時を含め通算4464勝(JRA通算1111勝)。帝王賞は89年フェートノーザン、04年アドマイヤドンで制覇。13年1月に引退し、競馬評論活動を展開中。


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