【高知競馬・LVR2020】“美人すぎる”ミシェル騎手が実証した眼力とタフさ

2020年02月05日 21時31分

会心の勝利を馬とたたえ合うミシェル

 地方競馬所属の女性騎手による対抗戦「レディスヴィクトリーラウンド(LVR)2020」の1stラウンド(2戦)が4日、高知競馬場で行われた。このシリーズには“美人すぎる”フランス人ジョッキー、ミカエル・ミシェル(24)が電撃参戦。2戦目に騎乗したハンゲキノノロシで快勝し、総合2位に食い込んだ。四国初上陸となった高知で、美貌のみならず手綱さばきでも競馬ファンを熱狂の渦に巻き込んだ。

「NARの女性騎手たちが集まるレースに参加できるのは、とてもうれしい。会えるのを楽しみにしている」

 高知のファンの大声援をバックに意欲満々で臨んだミシェルだったが、初戦(デイアンドデイ騎乗)はほろ苦い結果に。スタートから激しく手綱を動かし気合を入れたが馬が反応せず、1コーナーでもふくれ気味になり道中は後方。直線の伸びもなく、しんがり11着に終わった。

「砂がとても深かった。馬のパワーが足りなかったのもあるが、自分も高知競馬場の特徴を把握し切れていなかった」と表情を曇らせたが、その後レース映像を何度も確認。さらに次のレースの調教師や関係者と綿密に話し合いを重ね、第2戦のハンゲキノノロシ(4番人気)にまたがった。

 絶好のスタートを切ると、前に行った2頭を見る形で3番手を追走。勝負どころの3コーナー手前から、大きなアクションで前の2頭に並びかける。直線は右ムチで鼓舞すると、馬もこれにしっかり応え3馬身差をつける完勝。馬名の通り“反撃ののろし”を上げ、スタンドの大歓声に笑顔で応えた。第1戦で馬場の外側は砂厚が深くないと見抜き、あえて道中外めを回した判断が光ったレースだった。

 ミシェルは検量室で他の女性ジョッキーと健闘をたたえ合った後、「この馬は後方から走るからと聞いていたが、自然とあの位置(3番手)につけられた。馬の状態が良かったし、最後のカーブでこれはいけると思って、一生懸命追いました」。会心のレースをこう振り返り、口取り式では手でハートマークをつくる“お得意”のポーズを披露した。

 今回の高知ラウンドでは初戦3着(15点)、2戦目2着(20点)で合計35点を獲得した愛知所属の宮下瞳騎手が優勝。ミシェルは初戦11着(1点)、2戦目1着(30点)で2位となり、シリーズ総合優勝が十分狙える位置につけた。佐賀競馬場で行われる第2ラウンド(22日)、さらに名古屋競馬場での最終ラウンド(3月12日)まで、熱い戦いから目が離せない。

 ミシェルは4日のレース終了後、宮下瞳騎手ら女性ジョッキーと食事会をして、高知の夜を満喫したが、5日は東京に戻り、大井競馬場で6鞍に騎乗(金盃=センチュリオン=で南関東重賞初騎乗)。「ハードスケジュール? フランスでは一日に2つの競馬場で騎乗することもあったし、世界では、もっとタフなことも当たり前。全く気にならない」

“美しいプロフェッショナル”のフィーバーは南関東にとどまらず、全国に広がっていきそうだ。

☆ミカエル・ミシェル=1995年7月15日生まれ。フランス南東部イエール出身。10歳で乗馬を始め、2011年に競馬学校に入学。14年3月に騎手デビューし、同年9月に初勝利を挙げる。その後、落馬による負傷で1年半の休養を経て、17年に17勝。18年は女性騎手として初めてフランス年間リーディングで83日間にわたってトップを維持し、最終的に72勝で12位に。国内女性騎手の年間勝利記録を更新した。19年8月にはJRAのワールドオールスタージョッキーズで初来日。1勝を挙げて総合3位になった。20年1月、地方競馬全国協会(NAR)の短期免許を交付され、日本の地方競馬に参戦中。