女性騎手初の重賞V「菜七子物語」急加速へ 一気のGI奪取も夢じゃない!

2019年10月03日 16時33分

スポットライトに照らされ笑顔で1本指を掲げる菜七子

 ついにJRA女性騎手初の快挙達成――。2日、大井競馬場で行われた交流GII(JpnII)東京盃(ダ1200メートル)で、藤田菜七子(22)がコパノキッキング(セン4・村山)の“圧逃劇”を華麗に演出。実に24度目の重賞挑戦で悲願のタイトルを手にした。しかし、これはまだシンデレラストーリーの序章に過ぎない。これからのほんの1か月で「菜七子物語」は急加速するかもしれない。

「どう乗ろうか悩んだ」菜七子が出した答えは「ハナを主張していこう」。勝因はここに尽きる。

 コンビ4戦目にして初となる「逃げ」の一手を打つと、コパノキッキングは断然のスピードで他馬を引き離す。直線を向いても菜七子の手綱は持ったまま。逆に追いかけた先行勢の脚色が苦しくなり、終わってみれば影をも踏まさぬ4馬身差の圧勝劇だ。

 JRA女性騎手として初の重賞制覇。菜七子のシンデレラストーリーはここに“絶頂”を迎えた? いや、ここからさらに勢いを増していく。

 レース後、管理する村山調教師が「ジョッキーも乗れているし、次走はJBCを前向きに考えたい」と口にすれば、これまで今後の明言を避けてきたDr.コパこと小林祥晃オーナーも「ああいう競馬ができるなら、JBCを使おうかな」。

 交流GI(JpnI)JBCスプリント(11月4日=浦和ダ1400メートル)はトリッキーな超小回り決戦。だからこそ、東京盃の菜七子の決断が存分に生きてくる。

 一時期はそのスピードを末脚に転換させる方向へシフトしていたコパノキッキングだが、その策では浦和攻略は至難の業。小細工なしにスピードを全面に生かす騎乗でこそ、勝機が見えてくるのだ。

 コパノキッキングにとっては初となるコースを1周する舞台設定にも「操縦性の高い馬なので、ぜひチャレンジしてみたい」と菜七子もすでに手応えをつかんでいる。

 新たな歴史の1ページを開いたばかりの菜七子だが、初重賞制覇は単なる通過点。次週に行われる2歳牝馬限定の交流GIII(JpnIII)エーデルワイス賞(10日=門別ダ1200メートル)でコンビを組むデビルスダンサー(奥村武)も、相手関係から「勝機あり」とささやかれており、生みの苦しみから一転、2週連続重賞制覇も十分に現実味を帯びたシナリオだ。

 そして、JBCスプリントで一気に最高峰のタイトル奪取もまた、決して夢物語ではないとなれば…。菜七子のシンデレラストーリーはこれからのほんの1か月の間に急加速する可能性も秘めている。