【フェブラリーS】オメガパフューム安田翔調教師がステップレースに東京大賞典を選んだ理由

2019年02月15日 21時03分

先頭を堂々と歩むオメガパフューム

【フェブラリーS(日曜=17日、東京ダート1600メートル)トレセン秘話】人は何か違和感を持ったとき、どのように確認し、軌道修正していくのだろうか? 最も簡単な方法は同じことを繰り返し、再び違和感を持つかどうかをチェックすることだろうが、その逆も確認作業になるらしい。

 そんなことを考えたのは、チャンピオンズCで5着に敗れたオメガパフュームが、同じ中京ダート1800メートルの東海Sではなく、大井2000メートルの東京大賞典からフェブラリーSへのローテーションを選択したため。賞金を持ち過ぎている馬が他馬よりも重い斤量を嫌い、前哨戦である東海S、根岸Sを避けるパターンはよくあるが、オメガパフュームなら55キロベースからの1キロ増(56キロ)。普通に東海Sをステップにしても問題なかった。管理する安田翔調教師も「正直に言えば、東海Sを考えたことはありました」と。

 しかし、その決断をせずに強敵相手の東京大賞典に向かったのは、前述したような発想が安田翔師の頭の中にあったためだという。

「手前を替え切れなかったチャンピオンズCが少し行儀の悪い走りでしたからね。同じことを大井競馬場でもするのかどうか。それを確認したかったんです。仮に大井でもそのような走りをするのであれば、根本的な問題として対策を考えなくてはならないし、そうでないのであれば、中京コースが理由ということになりますよね? 行儀の悪いレースをしたコースでバランス良く走れなかった場合、その不安を抱えたままフェブラリーSへと向かうことになるじゃないですか。それはさせたくなかった」

 幸いにして東京大賞典ではしっかりと走り、ゴールドドリームを差し切る好結果を得たが、タイトルを獲得したことだけが良かったわけではない。抱えた課題を持ち越さなかったことが一番の収穫だったのだ。

 ちなみに安田翔師は父の安田隆厩舎で調教助手をしていた時代に2011年トランセンド、13年グレープブランデーと2度のフェブラリーS制覇に立ち会っているが、前者はJCダートからの直行、後者は東海Sをステップにしている。今回のオメガパフュームとは異なるローテーションだが、参考にしたのは日程ではなく、当時の経験だ。

「重要なのはそこに至るまでの過程であり、馬によって違いが出るのは当たり前。オメガパフュームに関して言えば、東京大賞典を使った段階で、年内のどこかをひと叩きするという考えは消えました。当時の経験が参考になっているところはありますよ」

 府中の1600メートルとは似ても似つかない東京大賞典からの参戦。そこに意味を見いだす若きトレーナーの姿勢に一票を投じてみたくなった。