【きさらぎ賞・後記】完勝ダノンチェイサー クラシック戦線での課題とは

2019年02月04日 21時31分

川田=ダノンチェイサーは横綱相撲で完勝

 クラシック戦線で重要な位置にある3日のGⅢきさらぎ賞(京都芝外1800メートル)は、3番人気のダノンチェイサー(牡・池江)が快勝。17年のセレクトセールで2億5000万円の超高額で取引され、デビュー前から大きな期待を集めた血統馬が重賞初制覇。ようやく軌道に乗ってきた。その良血馬がクラシック路線で戦っていくための課題とは――。

 レースを振り返ろう。スタートを決めて2番手につけたダノンチェイサーだが、行きたがるそぶりを見せ、鞍上の川田は拳を固めて必死に手綱を押さえる。3角手前でようやく落ち着くと、ゆとりのある手応えで直線へ。この時点で早めにスパートしたランスオブプラーナとの差は5馬身ほどあったが、その差をみるみるうちに詰め、並ぶ間もなくかわし去る。さらに後方から追い上げた2着タガノディアマンテとの差は2馬身…終わってみれば完勝だった。

「折り合い面が課題でしたが、我慢する中でもいいリズムで走ってくれました。前を捕まえられる距離、後ろに捕まらない距離を意識してレースを組み立てました。(レース前に降りだした)雨がどうかと思いましたが、馬場には影響のない範囲でしたし、想像以上にいい走りをしてくれました。きっちり勝ち切れたのが何よりです」と川田。「折り合いはついていたし、ジョッキーがうまくなだめて乗ってくれました。しまいもしっかり伸びてくれましたね」とこの日、東京競馬場でレースを見守った池江調教師も鞍上の好騎乗をたたえた。

 きさらぎ賞を完勝したダノンチェイサーだが、これでクラシック戦線に向けて盤石の態勢か、と問われれば、まだ十分ではない。今回は8頭立てでレースの紛れはなかったが、フルゲート18頭が既定路線の皐月賞、日本ダービーでは自分の意図したポジションを取るだけでも苦労する。また、距離が延びるという意味でもそうだが、折り合いを欠いてスタミナをロスすれば、各馬が死力を尽くすゴール前の最後のひと踏ん張りに影響しかねない。そういう意味で、勝つには勝ったが、前半でかなり行きたがっていたダノンチェイサーの折り合い面の課題は解消されたとは言えない。

「ここを勝ったことでクラシックに出走するための賞金は足りる。今後はリフレッシュさせて、本番に直行するかどうかを含めて検討します」と池江調教師。賞金加算でゆとりを持ったローテーションを組めるのは大きなアドバンテージ。その期間に折り合い面の課題克服と、さらなる地力強化を両立させられるかが、同馬がクラシック路線で活躍できるかどうかの大きなカギとなる。